商君書 / 更法
孝公曰:「善。吾聞窮巷多怪、曲學多辨。愚者之笑、智者哀焉、狂夫之樂、賢者憂焉。拘世以議、寡人不之疑矣。」於是遂出墾草令。
新字:孝公曰:「善。吾聞窮巷多怪、曲学多弁。愚者之笑、智者哀焉、狂夫之楽、賢者憂焉。拘世以議、寡人不之疑矣。」於是遂出墾草令。
書き下し
孝公曰く、「善し。吾聞く、窮巷には怪多く、曲學には辨多し、と。愚者の笑うは、智者これを哀しみ、狂夫の樂しむは、賢者これを憂う。世に拘わりて以て議するは、寡人これを疑わず」と。ここに於て遂に墾草の令を出す。
現代語訳
孝公は言った。「よろしい。私はこう聞いている。狭い路地には怪しげな話が多く、偏った学問には理屈が多い、と。愚か者が笑うことを、智者は哀しむ。狂った者が楽しむことを、賢者は憂える。世間にとらわれた議論など、私はもう気にしない」。こうして、ついに荒地開墾の令を出した。
解説
第一篇は、迷いから始まって決断で終わる。孝公が最後に捨てたのは反対意見ではなく、「世に拘わりて議する」こと——世間の目を基準に是非を決める態度である。そして即座に具体的な一手(墾草令)を出す。ここが大事で、決断は宣言では終わらず、翌日から動く命令として出ている。次の墾令第二は、その令の中身が二十条にわたって並ぶ。理念を語った直後に実行細目を置く構成そのものが、この書の性格を表している。
この章句が説くこと
窮巷に怪多し曲学に弁多し世に拘わりて議す墾草令
関連する章句
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