商君書 / 更法
杜摯曰:「臣聞之、利不百、不變法、功不十、不易器。臣聞法古無過、循禮無邪。君其圖之。」
新字:杜摯曰:「臣聞之、利不百、不変法、功不十、不易器。臣聞法古無過、循礼無邪。君其図之。」
書き下し
杜摯曰く、「臣これを聞く、利百ならざれば、法を變えず、功十ならざれば、器を易えず、と。臣聞く、古に法るは過ち無く、禮に循うは邪無し、と。君それこれを圖れ」と。
現代語訳
杜摯が言った。「私はこう聞いております。利益が百倍にならないなら法は変えない、効果が十倍にならないなら道具は取り替えない、と。また、古いやり方に倣えば過ちはなく、礼に従えば道を外れることはない、とも聞いております。君よ、どうかそのようにお考えください」。
解説
変えないための基準を、数字で示した反論である。利が百倍、功が十倍——つまり、よほど大きな見込みがなければ制度は触るな、と。ハードルの置き方としては乱暴だが、思想としては筋が通っている。制度変更には効果の見込みに加えて移行の費用と失敗の危険が乗るのだから、期待値がわずかに勝つ程度では動かすべきでない、という主張だ。実務でも、この基準を明示していない組織は、小さな改善のたびに全体を作り替えて疲弊する。商鞅はこの後、その基準そのものを否定しにかかる。
この章句が説くこと
利百ならざれば法を変えず功十ならざれば器を易えず古に法るは過ち無し杜摯組織変革
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