新序 / 雜事第五
宋昭王出亡至於鄙,喟然嘆曰:「吾知所以亡矣。吾朝臣千人,發政舉吏無不曰吾君聖者;侍御數百人,被服以立,無不曰吾君麗者。内外不聞吾過,是以至此。」由宋君觀之,人主之所以離國家,失社稷者,謟諛者衆也。故宋昭亡而能悟,蓋得反國云。
新字:宋昭王出亡至於鄙,喟然嘆曰:「吾知所以亡矣。吾朝臣千人,発政舉吏無不曰吾君聖者;侍御数百人,被服以立,無不曰吾君麗者。内外不聞吾過,是以至此。」由宋君観之,人主之所以離国家,失社稷者,謟諛者衆也。故宋昭亡而能悟,蓋得反国云。
書き下し
宋の昭王出亡して鄙に至る。喟然として嘆じて曰く、吾亡ぶる所以を知れり。吾が朝臣千人、政を發し吏を舉ぐるに、吾が君は聖なりと曰わざる無し。侍御數百人、服を被て以て立つに、吾が君は麗しと曰わざる無し。内外吾が過ちを聞かず。是を以て此に至れり、と。宋君に由りて之を觀れば、人主の國家を離れ、社稷を失う所以の者は、謟諛の者衆ければなり。故に宋昭は亡びて能く悟れり。蓋し國に反るを得たりと云う。
現代語訳
宋の昭王が国を追われて辺境に至った。深くため息をついて嘆じた。「私は自分が滅んだ理由が分かった。わが朝廷の臣が千人、政を出し役人を挙げるたびに、『わが君は聖人だ』と言わない者がなかった。身のまわりの者が数百人、装いを整えて立つたびに、『わが君はお美しい』と言わない者がなかった。内でも外でも、私の過ちを聞くことがなかった。だからここまで来てしまった」。宋君によってこれを見ると、君主が国家を離れ、社稷を失うのは、へつらう者が多いからである。だから宋の昭王は滅んでから悟ることができた。そのおかげで国に帰ることができたという。
解説
亡命の途上で、自分で答えを出した君主です。人数が具体的に挙げられています。朝廷の臣が千人、身のまわりが数百人。内でも外でも、私の過ちを聞くことがなかった。千数百人いて、誰も言わなかった。これは一人ひとりの悪意というより、その場の空気の話です。そしてこの巻に並ぶ閔王や靖郭君と違って、この人だけは違いました。宋の昭王は滅んでから悟ることができた。だから帰れた、と結ばれます。
この章句が説くこと
吾亡ぶる所以を知れり吾が朝臣千人政を発し吏を舉ぐるに吾が君は聖なりと曰わざる無し内外吾が過ちを聞かず是を以て此に至れり故に宋昭は亡びて能く悟れり諂い沈黙
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