呻吟語 / 外篇・廣喻・清白の二字
水至清不掩魚鮞之細,練至白不藏蠅點之緇。故清白二宇,君子以持身則可,若以處世,道之賊而禍之藪也。故渾淪無所不包,幽晦無所不藏。
新字:水至清不掩魚鮞之細,練至白不蔵蠅点之緇。故清白二宇,君子以持身則可,若以処世,道之賊而禍之藪也。故渾淪無所不包,幽晦無所不蔵。
書き下し
水至って清ければ魚鮞の細きを掩はず、練至って白ければ蠅點の緇きを藏さず。故に清白の二字は、君子以て身を持すれば則ち可なり。若し以て世に處せば、道の賊にして禍の藪なり。故に渾淪は包まざる所無く、幽晦は藏さざる所無し。
現代語訳
水が至って清ければ、魚の卵の細かさも覆い隠せません。練り絹が至って白ければ、蠅の糞の黒さも隠せません。だから清白の二字は、君子が身を保つのに用いるならよい。しかし世を渡るのに用いれば、道の賊であり禍の巣です。だから渾然としていれば包まないものが無く、ほの暗ければ隠さないものがありません。
解説
清さと白さの不都合を、二つの例で示します。澄んだ水は小さな卵まで見せ、白い絹は小さな汚れまで目立たせます。だから身を保つのには良くても、世を渡るのには害になります。そして渾然とほの暗いことが、包み隠す力として評価されます。自分に用いる基準と、人に接する基準を分けた一段になっています。自分に用いる基準と、人に接する基準を分けます。
この章句が説くこと
清白透明露呈渾淪包む
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