呻吟語 / 外篇・廣喻・步を得れば蜀道も周行の若し
蜀道不難,有難於蜀道者,只要在人得步。得步則蜀道若周行,失步則家庭皆蜀道矣。
新字:蜀道不難,有難於蜀道者,只要在人得歩。得歩則蜀道若周行,失歩則家庭皆蜀道矣。
書き下し
蜀道は難からず。蜀道より難き者有り。只だ人の步を得るを要す。步を得れば則ち蜀道も周行の若し。步を失へば則ち家庭も皆な蜀道なり。
現代語訳
蜀の道は難しくありません。蜀の道より難しいものがあります。ただ人が足の運びを得ることが必要です。足の運びを得れば、蜀の道も広い大路のようです。足の運びを失えば、家庭さえみな蜀の道です。
解説
難所の難しさを、道ではなく歩き方に移します。足の運びを得れば蜀の険路も大路のようで、失えば家庭でさえ険路になります。同じ人にとって、条件よりも構えが効くということです。家庭を挙げているのが要点で、最も安全なはずの場所が最も難しくなり得ると示されています。難易の基準を内側に置いた一段です。最も安全なはずの場所が、最も難しくなり得ます。
この章句が説くこと
蜀道歩み構え家庭難易
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