呻吟語 / 外篇・廣喻・墉は其の下を廣くす
有國家者,厚下恤民,非獨為民也。譬之於墉,廣其下,削其上,乃可固也;譬之於木,溉其本,剔其末,乃可茂也。
新字:有国家者,厚下恤民,非独為民也。譬之於墉,広其下,削其上,乃可固也;譬之於木,溉其本,剔其末,乃可茂也。
書き下し
國家を有つ者の下に厚く民を恤むは、獨り民の為のみに非ざるなり。之を墉に譬ふるに、其の下を廣くし、其の上を削らば、乃ち固くす可し。之を木に譬ふるに、其の本に溉ぎ、其の末を剔らば、乃ち茂る可し。
現代語訳
国家を持つ者が下に厚く民を憐れむのは、民のためだけではありません。土塀に譬えれば、下を広くし上を削れば、堅くできます。木に譬えれば、根に水をやり枝先を切れば、茂ります。
解説
民を厚く扱う理由を、自分のためでもあると示します。そして二つの比喩が置かれます。土塀は下を広く上を削れば堅くなり、木は根に水をやり枝先を切れば茂る。どちらも下を厚く上を薄くする形です。上を削ることまで含まれているのが要点で、単に下を助けるだけでは足りません。次の段で、逆の場合が示されます。上を削ることまで含まれているのが要点です。
この章句が説くこと
墉木下厚上薄自利削る
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