呻吟語 / 外篇・人情・未だ言はざるの先、言はざるの表
聖人處世只於人情上做工夫,其於人情又只於未言之先、不言之表上做工夫。
新字:聖人処世只於人情上做工夫,其於人情又只於未言之先、不言之表上做工夫。
書き下し
聖人の世に處するは只だ人情の上に於て工夫を做す。其の人情に於けるは又た只だ未だ言はざるの先、言はざるの表の上に於て工夫を做す。
現代語訳
聖人が世を渡るのは、ただ人の情の上で工夫をするだけです。その人の情については、ただ言わないうちと、言葉に出ないところで工夫をするだけです。
解説
工夫の場所を、二段で絞り込みます。まず人情の上、次にその中でも言う前と言葉に出ないところ。つまり言われてから対応するのでは遅いということです。前に出てきた、人の心はすべて声や顔色に出ないという段と組で読むと、見えない部分こそが本体だと分かります。手を打つ位置を示した一段です。見えない部分こそが本体だ、という前提があります。手を打つ位置を示した、実際的な一段です。
この章句が説くこと
人情未言言外先手工夫
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