呻吟語 / 外篇・人情・人の美を專らにす
露己之美者惡,分入之美者尤惡,而況專人之美,竊人之美乎?吾黨戒之。
新字:露己之美者悪,分入之美者尤悪,而況専人之美,竊人之美乎?吾党戒之。
書き下し
己の美を露す者は惡なり。人の美を分かつ者は尤も惡なり。而るに況んや人の美を專らにし、人の美を竊む者をや。吾が黨之を戒めよ。
現代語訳
自分の美点を見せびらかす者は悪い。人の美点を分け取る者はさらに悪い。まして人の美点を独り占めし、人の美点を盗む者ならなおさらです。我らはこれを戒めなさい。
解説
功をめぐる悪さを、四段に並べます。自分の美点を見せる、人の美点を分け取る、独り占めする、盗む。下るほど相手から奪う量が増えていきます。最初の一つが単に見せるだけなのに、すでに悪いとされているのが厳しいところです。そして最後に、我らはと自分たちを名指して戒められます。他人事としてではなく、身近にある振る舞いとして扱われた一段です。
この章句が説くこと
美点四段独り占め盗む自戒
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