呻吟語 / 外篇・聖賢・山を夷し海を填むるに非ず
聖人平天下,不是夷山填海,高一寸還他一寸,低一分還他一分。
書き下し
聖人の天下を平らかにするは、是れ山を夷し海を填むるに非ず。一寸高ければ還た他に一寸し、一分低ければ還た他に一分す。
現代語訳
聖人が天下を平らかにするのは、山を削り海を埋めることではありません。一寸高ければその一寸を返し、一分低ければその一分を返すだけです。
解説
平らかにするという言葉を、均すことではなく本来の高さに戻すことだと読み替えます。山を削り海を埋めるのではない、と。高いものは高いまま、低いものは低いまま、それぞれの分に返す。前に出てきた、万物がそれぞれの居場所を得るという段と同じ考え方で、平等を画一と区別した一段です。平等を画一と区別した、実に明快な一段になっています。

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平画一本来分区別
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