呻吟語 / 内篇・應務・毀譽に處するに識有り量有り
處毀譽,要有識有量。今之學者,盡有向上底,見世所譽而趨之,見世所毀而避之,只是識不定;聞譽我而喜,聞毀我而怒,只是量不廣。真善惡在我,毀譽於我無分毫相干。
新字:処毀誉,要有識有量。今之学者,尽有向上底,見世所誉而趨之,見世所毀而避之,只是識不定;聞誉我而喜,聞毀我而怒,只是量不広。真善悪在我,毀誉於我無分毫相干。
書き下し
毀譽に處するは、識有り量有るを要す。今の學者は、盡く向上底有り。世の譽むる所を見て之に趨き、世の毀る所を見て之を避くるは、只だ是れ識定まらざるなり。我を譽むるを聞きて喜び、我を毀るを聞きて怒るは、只だ是れ量廣からざるなり。真の善惡は我に在り、毀譽は我に於て分毫も相干せず。
現代語訳
誹りと誉れに処するには、識と量が必要です。今の学ぶ者には、向上しようとする心が十分あります。それでも世が誉めるものを見て走り寄り、世が誹るものを見て避けるのは、識が定まっていないからです。自分を誉めると聞いて喜び、誹ると聞いて怒るのは、量が広くないからです。本当の善悪は自分にあり、誹りと誉れは自分とは毛ほども関わりません。
解説
世評への反応を、二つの不足として診断します。世の評価に合わせて動くのは識の不足、褒貶に喜怒するのは量の不足。原因を二つに分けたので、処方も分かれます。そして最後に、善悪は自分にあり評価は無関係だと言い切ります。前に出てきた、司るのは善悪だけだという段と同じ結論に、別の道から着いています。原因を二つに分けたので、処方も二つに分かれます。
この章句が説くこと
毀誉識量世評無関係
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