呻吟語 / 内篇・應務・小利を以て其の意に中つ
藏莫大之害,而以小利中其意;藏莫大之利,而以小害疑其心。此思者之所必墮,而智者之所獨覺也。
新字:蔵莫大之害,而以小利中其意;蔵莫大之利,而以小害疑其心。此思者之所必堕,而智者之所独覚也。
書き下し
莫大の害を藏して、小利を以て其の意に中つ。莫大の利を藏して、小害を以て其の心を疑はしむ。此れ愚者の必ず墮つる所にして、智者の獨り覺る所なり。
現代語訳
計り知れない害を隠しておいて、小さな利で相手の気持ちに当てる。計り知れない利を隠しておいて、小さな害で相手の心を疑わせる。これが愚者が必ず落ちる罠であり、智者だけが気づくところです。
解説
仕掛けの型を二つ示します。大きな害を小さな利で覆う罠と、大きな利を小さな害で隠す仕掛け。どちらも目に入る部分と隠れている部分が逆転しています。目先の損得で判断する人ほど正確に引っかかる構造で、前の段の重み付けの議論と合わせて読むと、見るべき場所が分かります。目先の損得で判断する人ほど、正確に引っかかる構造です。
この章句が説くこと
罠目先隠れた害見抜く仕掛け
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