呻吟語 / 内篇・應務・要は其の急ぐ所に當たるに在り
朝三暮四,用術者誠詐矣,人情之極致,有以朝三暮四為便者,有以朝四暮三為便者,要在當其所急。猿非愚,其中必有所當也。
新字:朝三暮四,用術者誠詐矣,人情之極致,有以朝三暮四為便者,有以朝四暮三為便者,要在当其所急。猿非愚,其中必有所当也。
書き下し
朝三暮四は、術を用ふる者誠に詐なり。人情の極致、朝三暮四を以て便と為す者有り、朝四暮三を以て便と為す者有り。要は其の急ぐ所に當たるに在り。猿は愚に非ず、其の中に必ず當たる所有るなり。
現代語訳
朝に三つ夕に四つという言い換えは、術を用いる者としては確かに欺きです。しかし人情の極みとして、朝三つ夕四つのほうが都合よい者もあり、朝四つ夕三つのほうが都合よい者もあります。要は相手が急いでいるところに当たるかどうかです。猿は愚かではありません。その中に必ず当たるところがあったのです。
解説
朝三暮四の故事を、猿の愚かさの話ではなく配分の話として読み替えます。総量が同じでも、いつ渡すかで価値が変わる。だから朝に多いほうが都合よい者がいるのです。猿は愚かではないという一句が鮮やかで、相手の急所を突く配分の技術として読み直されます。前に出てきた因の一字の考え方と通じます。前に出てきた因の一字の考え方と、ここで通じます。
この章句が説くこと
配分時期朝三暮四急所価値
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