呻吟語 / 内篇・應務・行ひて成りて始終其の故を言はず
智者之於事,有言之而不行者,有所言非所行者,有先言而後行者,有先行而後言者,有行之既成而始終不言其故者,要亦為國家深遠之慮,而求以必濟而已。
新字:智者之於事,有言之而不行者,有所言非所行者,有先言而後行者,有先行而後言者,有行之既成而始終不言其故者,要亦為国家深遠之慮,而求以必済而已。
書き下し
智者の事に於けるや、之を言ひて行はざる者有り、言ふ所行ふ所に非ざる者有り、先づ言ひて後に行ふ者有り、先づ行ひて後に言ふ者有り、之を行ひて既に成りて始終其の故を言はざる者有り。要は亦た國家深遠の慮の為にして、以て必ず濟らんことを求むるのみ。
現代語訳
智者が事に当たるとき、言って行わないことがあり、言うことと行うことが別であることがあり、先に言って後で行うことがあり、先に行って後で言うことがあり、行って成し遂げてから終始その理由を言わないことがあります。要するにどれも国家の深く遠い思慮のためであり、必ず成し遂げようとしているだけです。
解説
言と行の関係を五通り並べます。言って行わない、言うことと行うことが違う、順序が前後する、そして理由を最後まで明かさない。どれも普通なら不誠実に見えるものばかりです。しかし目的が国家の深遠な慮にあるなら許されるとします。評価しにくい振る舞いの背後を読めという、應務篇らしい一段になっています。評価しにくい振る舞いの背後を読め、という一段です。

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言行順序秘匿意図評価
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