呻吟語 / 内篇・問學・入耳出口の學
上吐下瀉之疾,雖日進飲食,無補於憔悴;入耳出口之學,雖日事講究,無益於身心。
新字:上吐下瀉之疾,雖日進飲食,無補於憔悴;入耳出口之学,雖日事講究,無益於身心。
書き下し
上に吐き下に瀉すの疾は、日に飲食を進むと雖も、憔悴に補ふ無し。耳に入り口に出づるの學は、日に講究を事とすと雖も、身心に益無し。
現代語訳
上から吐き下から下す病は、毎日食事を取っても、やつれを補うことはできません。耳から入って口から出る学問は、毎日論じ究めていても、身と心に益がありません。
解説
吸収しない体と、吸収しない学びを重ねます。どちらも入れる量は十分なのに、通り抜けてしまう。だから量を増やしても無駄だという結論です。前に出てきた、十年戸を閉ざし五台の書を読んでも役に立たないという段と同じ主張ですが、こちらは病の像を使うぶん、身体の実感として伝わります。量を増やしても無駄だという結論が、病の像で伝わります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
吸収口耳無益量身心
関連する章句
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『秘本玉くしげ』上 無益の物の費えおよそ人間の用をなす一切の物は、其本は皆地より生ずる事なるが、其中に無てかなはぬ物と、無益のおごりに用る物とあるを、世上のおごり長じぬれば、その無益の事に多くの物を費す。その無益の物のために田地山林多くつゐへて、有用の物の出る妨となり、又無益の事にさまざま人の手間入事多き故に、有用の業をなすべき者もその無益のわざをなして世を渡る。これ天下の手間の費にして、かの無益の物に土地をつゐやすも同じ事也。然るに世人此子細をわきまへずして、何ごとをしてなりとも人の渡世になる事多く、商事おほければ、世上のにぎはひ繁昌也と心得るはひが事也。平民の身一分のうへにては、いかにも何わざをしてなりとも金銀を得る事の多きが利なれども、上に立て民を治むる人の身にとりては、領内おしならして利益あることならでは損ある也。たとへば、城下はにぎはふて商人は利を得る事多くても、在在百姓のつまりとなりては、本を失ふて末を益する也。但しこれは天下と一国一国との差別あり。
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孫子・作戦篇夫れ兵久しくして国の利ある者は未だこれ有らざるなり。
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『明君家訓』第18条衣食住の外、武士は馬具、武具は用意なくて不叶物にて候、其外は常に用申器物は各別、それも用に立までにて、結構なる物一圓不入事に候、まして無益の物、用意不仕候ても其分に候、たとへば、掛物、茶碗、茶入等の類、多くあつめ持候て何の用に立申儀に候や、世にまじはる習ひに候へば、少しは不苦儀に候へども、それも一向に不搆候はんは、結句心にくき方に可存候、
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『呻吟語』外篇・廣喻・皆な揠苗の見なり卜築を問ふ者も亦た然り。天下豈に兒の下迫せざるに強ひて自ら催生するの理有らんや。大抵皆な揠苗の見なり。
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『呻吟語』内篇・問學・強聒雜施は吾が儒の戒め人と善を為すは、真に是れ好き念頭なり。知らず、心に理路無き者は、淡くして覺えず。道相同じからざる者は、拂ひて入らず。強聒雜施は、吾が儒の戒めなり。孔子の憤を啟き悱を發し、三隅を復し、中人以下には上を語らざるは、豈に是れ人に誨ふるに倦めるか。兩つながら益無きを謂ふのみ。