孫子 / 作戦篇
夫兵久而國利者,未之有也。
新字:夫兵久而国利者,未之有也。
書き下し
夫れ兵久しくして国の利ある者は未だこれ有らざるなり。
現代語訳
戦争が長引いて国に利益をもたらした例はない。
解説
「兵久しくして国の利ある者は未だこれ有らざるなり」——長期戦を戒める作戦篇の一節です。戦争が長引いて国家に利益をもたらした例など、ただの一度もない、と孫子は断言します。前段で説いた消耗の論理を、歴史的な事実として突きつける、重い一句です。どれほど大義があっても、長期化した戦いは必ず国を疲弊させる、という孫子の確信がにじみます。仕事でも、長引くほど得をする消耗戦というものは、ほとんど存在しません。ずるずると続く価格競争、決着のつかない争い、終わりの見えないプロジェクト——それらは関わる全員の体力を奪っていきます。「長引かせて得はない」と腹をくくれば、撤退や決着の判断も早くなる。ダラダラ続けることの危うさを、孫子は歴史に照らして断じます。
この章句が説くこと
長期戦無益
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