孫子 / 作戦篇
夫兵久而國利者,未之有也。
新字:夫兵久而国利者,未之有也。
書き下し
夫れ兵久しくして国の利ある者は未だこれ有らざるなり。
現代語訳
戦争が長引いて国に利益をもたらした例はない。
解説
「兵久しくして国の利ある者は未だこれ有らざるなり」——長期戦を戒める作戦篇の一節です。戦争が長引いて国家に利益をもたらした例など、ただの一度もない、と孫子は断言します。前段で説いた消耗の論理を、歴史的な事実として突きつける、重い一句です。どれほど大義があっても、長期化した戦いは必ず国を疲弊させる、という孫子の確信がにじみます。仕事でも、長引くほど得をする消耗戦というものは、ほとんど存在しません。ずるずると続く価格競争、決着のつかない争い、終わりの見えないプロジェクト——それらは関わる全員の体力を奪っていきます。「長引かせて得はない」と腹をくくれば、撤退や決着の判断も早くなる。ダラダラ続けることの危うさを、孫子は歴史に照らして断じます。
この章句が説くこと
長期戦無益
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孫子・作戦篇力屈き財殫き、中原内は家に虚し。百姓の費、十に其の七を去り、公家の費、破車罷馬、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、十に其の六を去る。
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徒然草・第170段さしたる事なくて人の許行くは、よからぬ事なり。用ありて行きたりとも、その事果てなば疾く帰るべし。久しく居たる、いとむつかし。人と対ひたれば、詞多く、身もくたびれ、心も静かならず、万の事さはりて時を移す、互のため益なし。厭はしげにいはむもわろし、心づきなき事あらむをりは、なかなかその由をもいひてむ。おなじ心に向はまほしく思はむ人の、つれづれにて、「今しばし、今日は心しづかに。」などいはむは、この限りにはあらざるべし。阮籍が青き眼、誰もあるべきことなり。その事となきに、人の来りて、のどかに物語して帰りぬる、いとよし。また文も、「久しく聞えさせねば。」などばかり言ひおこせたる、いと嬉し。