呻吟語 / 内篇・談道・分定まれば一毫も加へ得ず
損之而不見其少者,必贅物也;益之而不見其多者,必缺處也。惟分定者,加一毫不得、減一毫不得。
新字:損之而不見其少者,必贅物也;益之而不見其多者,必欠処也。惟分定者,加一毫不得、減一毫不得。
書き下し
之を損じて其の少なきを見ざる者は、必ず贅物なり。之を益して其の多きを見ざる者は、必ず缺くる處なり。惟だ分の定まれる者は、一毫を加へ得ず、一毫を減じ得ず。
現代語訳
減らしても少なくなったと感じないものは、必ず余分なものです。足しても多くなったと感じないものは、必ず欠けていた所です。ただ分がきちんと定まっているものだけは、毛ひとすじも加えられず、毛ひとすじも減らせません。
解説
必要と余分を見分ける、実に具体的な物差しです。減らして困らないなら余分、足しても多く感じないなら不足していた。この二つを当てはめるだけで、持ち物も仕事も人員も仕分けられます。そして過不足なく定まったものは、増減のどちらも受けつけない。整理という作業に、感覚ではなく手続きを与えた一段です。迷ったら、まず一度減らしてみればよいのです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
過不足整理分余分適量
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