呻吟語 / 内篇・談道・十指縫を露はし、八面窗を開く
不是與諸君不談奧妙,古今奧妙不似《易》與《中庸》,至今解說二書,不似青天白日,如何又於晦夜添濃雲也?望諸君哀此後學,另說一副當言語,須是十指露縫,八面開窗,你見我知,更無躲閃,方是正大光明男子。
新字:不是与諸君不談奥妙,古今奥妙不似《易》与《中庸》,至今解説二書,不似青天白日,如何又於晦夜添濃雲也?望諸君哀此後学,另説一副当言語,須是十指露縫,八面開窗,你見我知,更無躲閃,方是正大光明男子。
書き下し
是れ諸君と奧妙を談ぜざるには非ず。古今の奧妙は《易》と《中庸》に似くは莫し。今に至るまで二書を解說するに、青天白日に似からず、如何ぞ又た晦夜に濃雲を添ふるや。諸君此の後學を哀れみ、另に一副當の言語を說かんことを望む。須らく是れ十指縫を露はし、八面窗を開き、你見て我知り、更に躲閃無くんば、方に是れ正大光明の男子なり。
現代語訳
皆さんと奥深いことを語りたくないのではありません。古今の奥深さで易と中庸に及ぶものはないのに、今に至るまでこの二書の解説は青空の太陽のように明るくならず、それどころか闇夜にさらに濃い雲を重ねています。どうか皆さん、この後学を哀れんで、別の言い方で説いてください。指の股まで見せ、八方の窓を開け放ち、あなたが見せて私が知り、もう身をかわす所が無い。それでこそ堂々とした男です。
解説
難解な注釈への痛烈な批判ですが、書き方が面白い。自分は奥深い話が嫌いなのではないと断り、後学を哀れんでくれと下手に出ながら、闇夜に雲を足していると言い放ちます。指の股まで見せ、八方の窓を開けるという像が、隠し事のない説明の理想として立てられます。教える側に求められているのは深さではなく、見えることなのです。
この章句が説くこと
説明明快注釈開示誠実
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