呻吟語 / 内篇・存心・童心は最も是れ人と作るの一大病
童心最是作人一大病,只脫了童心,便是大人君子。或問之,曰:「凡炎熱念、驕矜念、華美念、欲速念、浮薄念、聲名念,皆童心也。」
新字:童心最是作人一大病,只脫了童心,便是大人君子。或問之,曰:「凡炎熱念、驕矜念、華美念、欲速念、浮薄念、声名念,皆童心也。」
書き下し
童心は最も是れ人と作るの一大病なり。只だ童心を脫すれば、便ち是れ大人君子なり。或ひと之を問ふ。曰く、「凡そ炎熱の念、驕矜の念、華美の念、欲速の念、浮薄の念、聲名の念は、皆童心なり」と。
現代語訳
子どもっぽい心は、人になることの最大の病です。ただ子どもっぽい心を脱ぎ捨てれば、それだけで大人であり君子です。ある人がそれを問いました。答えます。およそ熱にうかされた思い、驕り高ぶる思い、派手を好む思い、早く成したい思い、浮ついて軽い思い、名声を求める思い、これらはみな子どもっぽい心です。
解説
童心という語が、ここでは純粋さではなく病として扱われます。李贄が同時代に童心説で純粋さを称えたのと正反対の使い方で、時代の空気が二つに割れていたことが見えます。そして中身が六つ数えられる。熱にうかされること、驕ること、派手を好むこと、急ぐこと、軽いこと、名を求めること。どれも大人がやりがちなことばかりで、年齢と無関係だと分かります。
この章句が説くこと
童心病驕り欲速名声
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