導師導古典を学びたいすべての人に

詩経 / 小雅・谷風之什・信南山

《信南山》,刺幽王也。不能脩成王之業,疆理天下,以奉禹功,故君子思古焉。 信彼南山,維禹甸之。畇畇原隰,曾孫田之。我疆我理,南東其畝。 上天同雲,雨雪雰雰。益之以霢霂,既優既渥,既霑既足,生我百穀。 疆埸翼翼,黍稷彧彧。曾孫之穡,以為酒食。畀我尸賓,壽考萬年。 中田有廬,疆埸有瓜。是剝是菹,獻之皇祖。曾孫壽考,受天之祜。 祭以清酒,從以騂牡,享于祖考。執其鸞刀,以啟其毛,取其血膋。 是烝是享,苾苾芬芬,祀事孔明。先祖是皇,報以介福,萬壽無疆。

新字:《信南山》,刺幽王也。不能脩成王之業,疆理天下,以奉禹功,故君子思古焉。 信彼南山,維禹甸之。畇畇原隰,曽孫田之。我疆我理,南東其畝。 上天同雲,雨雪雰雰。益之以霢霂,既優既渥,既霑既足,生我百穀。 疆埸翼翼,黍稷彧彧。曽孫之穡,以為酒食。畀我尸賓,寿考万年。 中田有廬,疆埸有瓜。是剥是菹,献之皇祖。曽孫寿考,受天之祜。 祭以清酒,従以騂牡,享于祖考。執其鸞刀,以啓其毛,取其血膋。 是烝是享,苾苾芬芬,祀事孔明。先祖是皇,報以介福,万寿無疆。

書き下し

信南山(しんなんざん)は、幽王を刺るなり。成王の業を脩(おさ)め、天下を疆理(きょうり)して、以て禹の功を奉ずること能わず、故に君子古を思う。 信(しん)たる彼の南山、維れ禹之を甸(おさ)む。畇畇(いんいん)たる原隰(げんしゅう)、曾孫(そうそん)之を田(たがや)す。我疆(さかい)し我理(おさ)め、其の畝を南東にす。 上天雲を同じくし、雪を雨(ふ)らすこと雰雰(ふんぷん)たり。之に益すに霢霂(みゃくもく)を以てし、既に優(ゆた)かに既に渥(あつ)く、既に霑(うるお)い既に足りて、我が百穀を生ず。 疆埸(きょうえき)翼翼たり、黍稷彧彧(いくいく)たり。曾孫の穡(とりいれ)、以て酒食を為る。我が尸賓(しひん)に畀(あた)え、寿考万年。 中田に廬(ろ)有り、疆埸に瓜有り。是れ剝(む)き是れ菹(つけもの)にし、之を皇祖に献ず。曾孫寿考にして、天の祜(さいわい)を受く。 祭るに清酒を以てし、従うるに騂牡(せいぼ)を以てし、祖考に享(きょう)す。其の鸞刀(らんとう)を執り、以て其の毛を啓(ひら)き、其の血膋(けつりょう)を取る。 是れ烝(すす)め是れ享し、苾苾芬芬(ひつひつふんぷん)として、祀事孔(はなは)だ明らかなり。先祖是れ皇(おおい)なり、報ゆるに介福を以てす、万寿疆り無し。

現代語訳

「信南山」の詩は、幽王をそしったものである。幽王は成王(周の第二代の王)の業を受け継いで整えることができず、天下の土地を区切り治めて禹(夏の聖王)の功業を奉じることもできなかった。そこで君子が昔を思ってこの詩を作った。 どこまでも延びるあの南山(終南山)のあたりは、禹が治めた土地である。平らに開かれた高原と湿地を、曾孫(祖先を祀る当主)が耕す。わたしは境を定め筋目を整えて、畝を南へ東へと向ける。 天は空いちめんに雲を広げ、雪をしんしんと降らせる。そのうえ小雨がしとしとと加わって、たっぷりと、しっとりと、潤い満ち足りて、わが百の穀物を育てる。 畑の境はきちんと整い、黍や稷はふさふさと茂る。曾孫の取り入れで、酒や食べ物を作る。それをわが尸(かたしろ)と賓客に捧げ、万年の長寿を願う。 田の中には番小屋があり、畑の境には瓜が実る。それを剥いて漬物にし、偉大な祖先に献げる。曾孫は長寿を得て、天の福を受ける。 澄んだ酒で祭り、赤毛の牡牛を添えて、祖先に供える。鈴のついた刀(鸞刀)を手に取り、その毛を分けて、血と脂を取る。 これを捧げ、これを供えれば、香りはかぐわしく立ちのぼり、祭りの事はまことに整って明らかだ。先祖の霊は大いに降り、大いなる福で報いてくださり、限りない長寿を授かる。

解説

禹が治めたという南山の麓の田で、周の当主が畑を整え、雪と小雨の恵みを受けて実った穀物で祖先を祀る詩である。雪が降り小雨が加わって土が潤う第二章は、農の喜びを細やかに伝える。畑の境の瓜を漬物にして祖先に献げ、鈴のついた刀で牲の毛を分けて血と脂を取るくだりは、祭りの実際を生々しく描く。毛序は、成王の業を継いで天下を正しく区切り治めることができない幽王をそしり、昔を思った詩とする。朱熹は楚茨と同じく、公卿が農事に励み祖先を祀る詩と読む。「我疆し我理め、其の畝を南東にす」は古代の田制を伝える句として後世しばしば論じられた。土を整え、天の恵みを待ち、実りを祖先に返すという循環が、ここに歌われている。

この章句が説くこと

詩経農祭祀禹雪

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る