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説苑 / 辨物

季桓子穿井得土缶,中有羊,以問孔子,言得狗。孔子曰:「以吾所聞,非狗,乃羊也。木之怪夔罔兩,水之怪龍罔象,土之怪羵羊也,非狗也。」桓子曰:「善哉!」

新字:季桓子穿井得土缶,中有羊,以問孔子,言得狗。孔子曰:「以吾所聞,非狗,乃羊也。木之怪夔罔両,水之怪竜罔象,土之怪羵羊也,非狗也。」桓子曰:「善哉!」

書き下し

季桓子井を穿ちて土缶を得たり。中に羊有り。以て孔子に問うに、狗を得たりと言う。孔子曰わく、「吾が聞く所を以てすれば、狗に非ず、乃ち羊なり。木の怪を夔罔両(きもうりょう)と曰い、水の怪を龍罔象(りゅうもうぞう)と曰い、土の怪を墳羊(ふんよう)と曰う、狗に非ざるなり。」桓子曰わく、「善いかな。」

現代語訳

季桓子が井戸を掘ったところ、土でできた甕を掘り当てた。その中には羊のようなものが入っていた。孔子に尋ねる際、桓子はわざと「犬を得た」と言った。孔子は言った。「私が聞くところによれば、それは犬ではなく、羊のようなものです。木の妖怪を夔罔両といい、水の妖怪を龍罔象といい、土の妖怪を墳羊といいます。犬ではありません。」桓子は言った。「なんとすばらしい。」

解説

季桓子はわざと事実と異なる情報を告げて孔子の知識を試そうとしたが、孔子は誤った前提に惑わされることなく、体系的な妖怪分類の知識に基づいて正確に訂正してみせる。試されていると気づいても動じず、事実に即して淡々と正しい答えを述べるその態度は、権威者の誤った前提や誘導的な問いに対しても、迎合せず真実を語る知的誠実さの見本である。現代の職場でも、上司や顧客が誤った前提で質問してきたときに、それに合わせてしまうのではなく、根拠に基づいて静かに正すことができるかどうかが、専門家としての信頼を左右する。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

孔子知的誠実前提を正す

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