説苑 / 雜言
舜耕之時不能利其鄰人,及為天子,天下戴之。故君子窮則善其身,達則利於天下。
書き下し
舜の耕す時、其の鄰人を利する能わず、天子と為るに及びて、天下之を戴く。故に君子は窮すれば則ち其の身を善くし、達すれば則ち天下を利す。
現代語訳
舜は畑を耕していた頃には、隣人に利益を与えることさえできなかったが、天子となるに及んで、天下の人々が彼を推し戴いた。だから君子というものは、困窮しているときは自らの身を修めることに努め、栄達したときには天下に利益をもたらすのである。
解説
舜のような聖人でさえ、貧しく無名であった頃には身近な隣人一人を益することすらできなかったという事実は、地位や機会がなければ善意も力を発揮できないという現実をありのままに認める潔さを示す。現代においても、志だけあって実力や立場が伴わないうちは、周囲への貢献が思うようにいかないことは誰にでもある。この章が説くのは、そうした不遇な時期を無為に嘆くのではなく、自分自身を磨く期間と割り切り、力を得た暁には惜しみなくそれを還元するという、長期的な視点に立った自己研鑽の姿勢である。
この章句が説くこと
窮達自己修養貢献
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