説苑 / 說叢
鏡以精明,美惡自服;衡平無私,輕重自得;蓬生枲中,不扶自直;白砂入泥,與之皆黑。
新字:鏡以精明,美悪自服;衡平無私,軽重自得;蓬生枲中,不扶自直;白砂入泥,与之皆黒。
書き下し
鏡は精明を以て、美惡自ら服す。衡は平にして私無く、輕重自ら得。蓬は枲中に生ずれば、扶けずして自ら直し。白砂泥に入れば、之と皆黑し。
現代語訳
鏡は澄み明るいがゆえに、美しいものも醜いものもそのままに映し出して服従させる。秤は水平で偏りがないがゆえに、重いものも軽いものも自ずと正しく量られる。よもぎは麻の中に生えれば、支えなくても自然とまっすぐに育つ。白い砂も泥に入れば、その泥と一緒になって黒くなってしまう。
解説
鏡と秤という公正無私な道具の比喩から始まり、周囲の環境が人の性質に及ぼす影響へと展開する章である。よもぎがまっすぐな麻の中で自然とまっすぐに育ち、白砂も泥に交われば黒く染まるという対比は、人の善悪や成長が本人の資質だけでなく、置かれた環境によって大きく左右されることを鮮やかに示している。組織の風土やつきあう相手を選ぶことの重要性を説くこの教えは、良い環境に身を置くことの価値と、悪い環境に染まることへの警戒という両面から現代人への示唆に富む。
この章句が説くこと
環境の影響公正朱に交われば
関連する章句
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