説苑 / 說叢
意不並銳,事不兩隆;盛於彼者必衰於此,長於左者必短於右。喜夜臥者不能蚤起也。
新字:意不並銳,事不両隆;盛於彼者必衰於此,長於左者必短於右。喜夜臥者不能蚤起也。
書き下し
意は並び銳くならず、事は兩つながら隆んならず。彼に盛んなる者は必ず此に衰え、左に長ずる者は必ず右に短し。夜臥すを喜ぶ者は蚤く起くる能わざるなり。
現代語訳
意気込みは同時に二つとも鋭くなることはなく、物事も両方が同時に盛んになることはない。あちらで盛んなものは必ずこちらで衰え、左で優れているものは必ず右で劣っている。夜更かしを好む者は、朝早く起きることはできない。
解説
物事には必ずトレードオフが伴うという原理を、簡潔な対句で示した章である。すべての面で同時に秀でることは不可能であり、一方を追求すれば他方が犠牲になるという現実を、夜更かしと早起きという身近な例で締めくくっている点が巧みである。現代人も仕事と私生活、量と質、目先の効率と長期的な信頼など、あらゆる場面でこの取捨選択に直面する。すべてを手に入れようとする欲張りな姿勢を戒め、何を優先し何を手放すかを自覚的に選ぶことの大切さを教えてくれる。
この章句が説くこと
取捨選択両立不可優先順位
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