説苑 / 權謀
田子顏自大術至乎平陵城下,見人子問其父,見人父問其子。田子方曰:「其以平陵反乎?吾聞行於內,然後施於外。外顏欲使其眾甚矣。」後果以平陵叛。
書き下し
田子顏大術より平陵の城下に至り、人の其の父を問ふを見、人の其の子を問ふを見る。田子方曰く、「其れ平陵を以て反せんか。吾聞く、內に行はれて、然る後に外に施すと。外顏其の衆をして甚だしからしめんと欲す」と。後果して平陵を以て叛く。
現代語訳
田子顔が大術から平陵の城下まで来たとき、人が自分の父の安否を尋ねる様子や、人が自分の子の安否を尋ねる様子を目にした。田子方は言った。「これは平陵を拠点に反乱を起こすつもりではないか。私はこう聞いている、まず身内の間で行われたことが、その後外に及ぶものだと。あの外顔という者は、自分の一族の絆を非常に固く結束させようとしている」と。その後、果たして平陵を拠点に反乱が起きた。
解説
道端で人々が互いの父や子の安否を熱心に気遣い合う――一見美しい家族愛の光景から、田子方はそこに不穏な結束の兆しを読み取る。身内同士の結びつきを異様なまでに強めようとする動きは、内に留まらずやがて外部(この場合は国家)への行動に転化するという洞察である。現代の組織でも、特定のグループが表向きは仲間意識や結束として現れながら、実は組織全体に対抗する派閥形成の準備段階であることがある。表面上は美徳に見える結束や連帯感であっても、それがどの方向を向いているのかを見極める視点を、この短い逸話は教えてくれる。
この章句が説くこと
結束の兆内から外へ洞察
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