呂氏春秋 / 愼小④
齊桓公即位,三年三言,而天下稱賢,群臣皆說。去肉食之獸,去食粟之鳥,去絲罝之網。
新字:斉桓公即位,三年三言,而天下称賢,群臣皆説。去肉食之獣,去食粟之鳥,去糸罝之網。
書き下し
齊の桓公、位に即き、三年三言して、天下賢を稱し、群臣皆說ぶ。肉食の獸を去り、食粟の鳥を去り、絲罝の網を去る。
現代語訳
斉の桓公が位に即き、三年の間に三つの言(政令)を発し、天下は賢明だと称え、群臣は皆喜んだ。肉食の害獣を除き、粟を食う害鳥を除き、絹糸の獣を捕らえる網を除いた。
解説
この段は、斉の桓公が即位後わずかな数の善政によって天下の信望を得た例です。害獣や害鳥を除き、乱獲の網を廃するという、一見小さな三つの施策が、民の生活を守り自然を損なわない配慮として高く評価されました。背景には、大事業でなく的を射た小さな善政が人心を得るという「慎小」の裏面があります。核心は、些事を軽んじる愚を戒める本篇の中で、逆に小さな正しい行いが大きな信頼を生むと示す点です。現代でも、派手な大改革より、現場の困りごとを的確に除く小さな改善の積み重ねが、組織や社会の信頼を築くことは多いものです。小を軽んじない姿勢が、害を防ぐだけでなく信望をも生むことを教えます。
この章句が説くこと
斉桓公三言善政害獣慎小人心
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