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呂氏春秋 / 季冬②

是月也,命漁師始漁,天子親往。乃嘗魚,先薦寢廟。冰方盛,水澤復,命取冰。冰已入,令告民,出五種。命司農,計耦耕事,修耒耜,具田器。命樂師,大合吹而罷。乃命四監,收秩薪柴,以供寢廟及百祀之薪燎。

新字:是月也,命漁師始漁,天子親往。乃嘗魚,先薦寝廟。冰方盛,水沢復,命取冰。冰已入,令告民,出五種。命司農,計耦耕事,修耒耜,具田器。命楽師,大合吹而罷。乃命四監,収秩薪柴,以供寝廟及百祀之薪燎。

書き下し

是の月や、漁師に命じて始めて漁せしむ。天子親ら往き、乃ち魚を嘗め、先づ寢廟に薦む。冰方に盛んに、水澤も復んなり。命じて冰を取らしむ。冰已に入れば、令して民に告げ、五種を出ださしめ、司農に命じて、耦耕の事を計り、耒耜を修め、田器を具えしむ。樂師に命じて、大いに吹を合わせしめて罷む。乃ち四監に命じて、薪柴を收秩せしめ、以て寢廟及び百祀の薪燎に供す。

現代語訳

この月には、漁師に命じて漁を始めさせる。天子は自ら出向いて魚を味わい、まず祖先の霊廟に供える。氷が盛んに張り、水や沢も水量が満ちる。命じて氷を切り出させる。氷を氷室に納め終えると、民に告げて五種の穀物の種を出させ、司農(農政の官)に命じて、二人一組で耕す耦耕の段取りを計画させ、耒耜(すき)を修理し、農具をそろえさせる。楽師に命じて、盛大に管楽器を合奏させて締めくくる。そして四監(地方を監督する官)に命じて、薪や柴を集めて蓄えさせ、霊廟や多くの祭祀のかがり火の用に供える。

解説

本段は季冬に行うべき生産と祭祀の準備を述べます。冬の終わりは春の農耕に向けた助走の時期で、氷を切って氷室に蓄え、穀物の種を用意し、農具を整えるなど、次の季節への段取りが具体的に指示されます。背景には、天子が農時を先導し民の暮らしを支えるという為政者の役割観があります。漁の初物をまず祖先に供えるのも、恵みへの感謝と秩序を重んじる姿勢の表れです。現代でも、繁忙期を前に道具や段取りを整え、資源を計画的に備えておく発想は、仕事や暮らしを滞りなく回すための実務の知恵として通じるものがあります。

この章句が説くこと

季冬月令司農耦耕氷室四監

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