呂氏春秋 / 孟冬④
是月也,天子始裘。命有司曰:“天氣上騰,地氣下降,天地不通,閉而成冬。”令百官,謹蓋藏。命司徒,循行積聚,無有不斂;(土付)城郭,戒門閭,修楗閉,慎關籥,固封璽,備邊境,完要塞,謹關梁,塞蹊徑,飭喪紀,辨衣裳,審棺槨之厚薄,營丘壟之小大高卑薄厚之度,貴賤之等級。
新字:是月也,天子始裘。命有司曰:“天気上騰,地気下降,天地不通,閉而成冬。”令百官,謹蓋蔵。命司徒,循行積聚,無有不斂;(土付)城郭,戒門閭,修楗閉,慎関籥,固封璽,備辺境,完要塞,謹関梁,塞蹊径,飭喪紀,弁衣裳,審棺槨之厚薄,営丘壟之小大高卑薄厚之度,貴賤之等級。
書き下し
是の月や、天子始めて裘す。有司に命じて曰く、「天氣上騰し、地氣下降し、天地通ぜず、閉じて冬を成せ。」百官に命じて、謹んで蓋藏せしむ。司徒に命じて、積聚を循行し、斂めざる有ること無からしむ。城郭を坿し、門閭を戒め、楗閉を修め、關籥を慎み、封璽を固くす。邊境に備え、要塞を全くし、關梁を謹み、蹊徑を塞ぐ。喪紀を飭え、衣裳を辧ち、棺槨の厚薄を審らかにし、丘壟に小大高卑薄厚の度、貴賤の等級を營る。
現代語訳
この月には、天子が初めて毛皮の衣を着る。役人に命じて言う、「天の気は上へ昇り、地の気は下へ降り、天地は通じ合わず、閉じて冬を成す」と。百官に命じて、慎んで貯蔵させる。司徒に命じて、蓄えを見回らせ、収めていないものがないようにさせる。城郭を堅固にし、里の門を警め、かんぬきを修理し、鍵をしっかり管理し、封印を固くする。辺境に備え、要塞を完備し、関所と橋を厳しくし、間道をふさぐ。喪の定めを整え、衣裳を区別し、棺の厚薄を吟味し、墓地の大小・高低・厚薄の程度、身分ごとの等級を定める。
解説
冬の「閉蔵」に合わせ、貯蔵・防備・喪葬の制度を整える施策が列挙されます。天地の気が交わらず閉じるという自然観に基づき、人事も収め閉ざす方向へ導くのが月令の論理です。城郭や関所を固め辺境に備える一方、喪の礼や墓制の等級まで定める点に、生と死の秩序を冬に整える発想が表れています。この墓制への言及は、続く節喪・安死篇の薄葬論への伏線ともなります。現代でも季節や状況に応じて備えを固め、制度を点検する姿勢は、危機管理の要として通じます。
この章句が説くこと
閉蔵蓋蔵城郭要塞喪紀棺槨
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