呂氏春秋 / 孟夏⑥
是月也,聚蓄百藥。糜草死。麥秋至。斷薄刑,決小罪,出輕繫。蠶事既畢,后妃獻繭。乃收繭稅,以桑為均,貴賤少長如一,以給郊廟之祭服。
新字:是月也,聚蓄百薬。糜草死。麦秋至。断薄刑,決小罪,出軽繋。蠶事既畢,后妃献繭。乃収繭税,以桑為均,貴賤少長如一,以給郊廟之祭服。
書き下し
是の月や、百藥を聚蓄す。糜草死し、麥秋至る。薄刑を斷ち、小辠を決し、輕繫を出だす。蠶事既に畢り、后妃、繭を獻ず。乃ち繭税を収め、桑を以て均と為し、貴賤少長一の如くし、以て郊廟の祭服に給す。
現代語訳
この月には、多くの薬草を集め蓄える。なずな(糜草)が枯れ、麦の実る時季が来る。軽い刑罰の裁きを打ち切り、小さな罪を裁決し、軽い罪で拘留されている者を釈放する。養蚕の仕事が終わると、后妃が繭を天子に献上する。そして繭に課す税を集め、桑(の生産量)を基準として、身分の貴賤や年齢の老若にかかわらず一律にし、それを郊祭・宗廟の祭服にあてる。
解説
この段は、初夏の薬草の採集、寛刑、養蚕の締めくくりと繭税の徴収について述べます。多くの薬草を蓄え、軽い罪は裁いて拘留者を釈放し、養蚕を終えた后妃が繭を献じ、繭税を桑を基準に貴賤・老若の別なく一律に課して祭服にあてることが要点です。背景には、季節ごとに刑罰も緩めるべきだとする月令の考えと、養蚕を国家的な営みとして重んじる姿勢があります。とりわけ税を身分によらず公平に課す点は注目されます。現代でも、成果に応じた公平な負担のあり方や、季節に応じて厳しさを緩める配慮として読み解け、公正な制度設計の一つの原型を示しています。
この章句が説くこと
養蚕繭税公平寛刑薬草后妃
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