論語 / 憲問篇
公叔文子之臣大夫僎,與文子同升諸公。子聞之曰:「可以爲文矣!」
新字:公叔文子之臣大夫僎,与文子同升諸公。子聞之曰:「可以為文矣!」
書き下し
公叔文子の臣大夫僎、文子と同じく諸を公に升る。子之を聞きて曰く、「以て文と為す可し。」
現代語訳
公叔文子の家臣であった大夫の僎が、文子と同じ位まで君主のもとに引き上げられた。先生はこれを聞いておっしゃった。「文という諡にふさわしい。」
解説
自分の家臣を、自分と同じ位まで引き上げた。推挙した結果、その人物が自分と並ぶことになる。孔子はこの一事だけで、文という高い諡にふさわしいと評した。人を引き上げることの難しさが、この短い評価に凝縮している。部下を推薦するのは容易だが、自分と同格になるところまで引き上げるのは別の話である。並ばれた瞬間、自分の優位は消える。だから多くの人は、自分の下で有能である範囲でしか部下を評価しない。引き上げるにしても、自分を超えない高さで止める。公叔文子はそれをしなかった。組織で人が育つかどうかは、育成の技術より、上に立つ人がこの一線を越えられるかで決まる。並ばれることを受け入れられる人の下でだけ、人は本当に伸びる。
この章句が説くこと
推挙登用度量公叔文子育成
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