論語 / 子路篇
子路問曰:「何如斯可謂之『士』矣?」子曰:「切切偲偲、怡怡如也,可謂『士』矣。朋友切切偲偲,兄弟怡怡。」
書き下し
子路問いて曰く、「何如なれば斯れ之を士と謂う可き。」子曰く、「切切偲偲、怡怡如たれば、士と謂う可し。朋友には切切偲偲、兄弟には怡怡たり。」
現代語訳
子路が尋ねた。「どうあれば士と言えるでしょうか。」先生はおっしゃった。「互いに励まし正し合い、しかも和やかである。そうであれば士と言える。友人とは励まし正し合い、兄弟とは和やかにする。」
解説
子貢にも同じ問いに答えているが、内容が違う。子貢には恥と信を説き、子路には人間関係の温度を説いた。相手に応じた答えである。子路は剛直で衝突しがちな人物だったから、和やかさが処方になっている。内容として重要なのは、相手によって接し方を変えるという後半だ。友人には切切偲偲、つまり厳しく正し合う。兄弟には怡怡、つまり和やかにする。同じ態度を全員に取るのではない。関係の種類によって、求めるものを変えている。組織でも同じ配分が要る。同僚とは互いに正し合う関係が健全だが、家族的な近さの中で正し合いを持ち込むと壊れる。逆に、正し合うべき関係を和やかさだけで済ませると、質が落ちる。関係ごとに温度を設計するという発想である。
この章句が説くこと
士切磋和やか関係設計子路
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孔子家語・致思子路孔子に見えて曰わく、「重きを負い遠きを渉るには、地を択ばずして休み、家貧しく親老いては、禄を択ばずして仕う。昔者由や、二親に事うるの時、常に藜藿の実を食らい、親の為に米を負うこと百里の外にす。親歿するの後、南のかた楚に遊ぶ。従車百乗、粟を積むこと万鐘、茵を累ねて坐し、鼎を列ねて食らう。藜藿を食らい、親の為に米を負わんと願欲すれども、復た得可からざるなり。枯魚索に銜まるるは、幾何ぞ蠹せざらん。二親の寿は、忽として隙を過ぐるが若し。」 孔子曰わく、「由や親に事うるは、生きては事えて力を尽くし、死しては事えて思いを尽くす者と謂う可し。」
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