論語 / 先進篇
閔子侍側,誾誾如也;子路,行行如也;冉有、子貢,侃侃如也。子樂。「若由也,不得其死然!」
新字:閔子侍側,誾誾如也;子路,行行如也;冉有、子貢,侃侃如也。子楽。「若由也,不得其死然!」
書き下し
閔子側に侍る、誾誾如たり。子路は行行如たり。冉有・子貢は侃侃如たり。子楽しむ。「由の若きは、其の死を得ざらん。」
現代語訳
閔子騫がおそばに控えているさまは、慎み深く筋が通っていた。子路は剛毅で押し出しが強かった。冉有と子貢はうちとけて明るかった。先生はそれを楽しまれた。そして「由のような者は、まともな死に方をしないだろうな」とおっしゃった。
解説
四人の弟子の個性が、そのまま並んでいる。孔子はその違いを楽しんだ。全員を同じ型に整えようとしなかったことが、この一語に出ている。ところが直後に、子路の死に方を案じる言葉が続く。楽しみながら、同時に危うさを見抜いている。実際、子路は後に衛の内乱で命を落とした。個性を認めることと、その個性が招く危険を見ないことは別だ、という姿勢である。組織で強い個性を持つ人を抱えるときの構えとして参考になる。角を削って平均化すれば安全だが、その人の価値も消える。削らずに置けば、いつか本人の性質そのものが災いを呼ぶ。孔子は削らず、代わりに危険を言葉にした。言っても止まらないと分かっていて、なお言った。