論語 / 先進篇
閔子侍側,誾誾如也;子路,行行如也;冉有、子貢,侃侃如也。子樂。「若由也,不得其死然!」
新字:閔子侍側,誾誾如也;子路,行行如也;冉有、子貢,侃侃如也。子楽。「若由也,不得其死然!」
書き下し
閔子側に侍る、誾誾如たり。子路は行行如たり。冉有・子貢は侃侃如たり。子楽しむ。「由の若きは、其の死を得ざらん。」
現代語訳
閔子騫がおそばに控えているさまは、慎み深く筋が通っていた。子路は剛毅で押し出しが強かった。冉有と子貢はうちとけて明るかった。先生はそれを楽しまれた。そして「由のような者は、まともな死に方をしないだろうな」とおっしゃった。
解説
四人の弟子の個性が、そのまま並んでいる。孔子はその違いを楽しんだ。全員を同じ型に整えようとしなかったことが、この一語に出ている。ところが直後に、子路の死に方を案じる言葉が続く。楽しみながら、同時に危うさを見抜いている。実際、子路は後に衛の内乱で命を落とした。個性を認めることと、その個性が招く危険を見ないことは別だ、という姿勢である。組織で強い個性を持つ人を抱えるときの構えとして参考になる。角を削って平均化すれば安全だが、その人の価値も消える。削らずに置けば、いつか本人の性質そのものが災いを呼ぶ。孔子は削らず、代わりに危険を言葉にした。言っても止まらないと分かっていて、なお言った。
この章句が説くこと
個性子路危うさ受容予見
関連する章句
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孔子家語・致思子路孔子に見えて曰わく、「重きを負い遠きを渉るには、地を択ばずして休み、家貧しく親老いては、禄を択ばずして仕う。昔者由や、二親に事うるの時、常に藜藿の実を食らい、親の為に米を負うこと百里の外にす。親歿するの後、南のかた楚に遊ぶ。従車百乗、粟を積むこと万鐘、茵を累ねて坐し、鼎を列ねて食らう。藜藿を食らい、親の為に米を負わんと願欲すれども、復た得可からざるなり。枯魚索に銜まるるは、幾何ぞ蠹せざらん。二親の寿は、忽として隙を過ぐるが若し。」 孔子曰わく、「由や親に事うるは、生きては事えて力を尽くし、死しては事えて思いを尽くす者と謂う可し。」
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孔子家語・致思子路蒲の宰と為る。水備を為し、其の民と溝瀆を修む。民の労煩苦しむを以て、人に一簞の食、一壺の漿を与う。孔子之を聞き、子貢をして之を止めしむ。 子路忿りて悦ばず、孔子に見えて曰わく、「由や暴雨将に至らんとするを以て、水災有らんことを恐れ、故に民と溝洫を修めて以て之に備う。而して民に匱餓する者多し、是を以て簞食壺漿もて之に与う。夫子賜をして之を止めしむ、是れ夫子由の仁を行うを止むるなり。夫子仁を以て教えて其の行いを禁ず、由受けざるなり。」 孔子曰わく、「汝民を以て餓うと為さば、何ぞ君に白して倉廩を発きて以て之を賑わさざる。而して私に爾の食を以て之に饋る、是れ汝君の恵無きを明らかにし、而して己の徳の美を見わすなり。汝速やかに已めば則ち可なり、然らずんば則ち汝の罪せらるること必せり。」
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論語・雍也篇季康子問う、「仲由は政に従わしむ可きか。」子曰く、「由や果、政に従うに於いて何か有らん。」曰く、「賜は政に従わしむ可きか。」曰く、「賜や達、政に従うに於いて何か有らん。」曰く、「求は政に従わしむ可きか。」曰く、「求や芸、政に従うに於いて何か有らん。」
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