論語 / 郷党篇
齊,必有明衣,布。齊必變食,居必遷坐。
新字:斉,必有明衣,布。斉必変食,居必遷坐。
書き下し
斉するに、必ず明衣有り、布なり。斉すれば必ず食を変じ、居は必ず坐を遷す。
現代語訳
斎戒のときには、必ず湯浴みのあとに着る浄衣を用意し、それは布製であった。斎戒のときには必ず食事を変え、住まいでは必ず座る場所を移された。
解説
祭祀の前に身を清める斎戒の記録である。着るもの、食べるもの、座る場所。この三つを変える。心を静めよという指示ではなく、環境を三点変えることで状態を切り替えている。内面を直接操作するのではなく、外側の条件を変えて内面を従わせる設計である。集中を作る方法として、いまも通用する。気持ちを切り替えようと念じても、たいてい切り替わらない。着替える、食事を変える、席を移す。この程度の物理的な変更のほうが確実に効く。とくに座る場所を変えるという一項は手軽で、実際に効果がある。同じ席で書類を処理し、同じ席で構想を練ろうとしても、頭は前の作業を引きずる。孔子は大事な仕事の前に、必ず三点を変えた。