師導古典を学びたいすべての人に

論語 / 子罕篇

牢曰:「子云:『吾不試,故藝。』」

新字:牢曰:「子云:『吾不試,故芸。』」

書き下し

牢曰く、「子云う、『吾試いられず、故に芸あり』と。」

現代語訳

牢が言った。「先生はこうおっしゃった。『私は世に用いられなかった。だから技芸を身につけたのだ』と。」

解説

前の章と対になる短い証言である。用いられなかったから技を身につけた、という言い方に、恨みも自嘲もない。事実として、余った時間が技になったと述べている。順風なら得られなかったものを、逆風が与えたという構図である。仕事の経歴に空白や停滞がある人にとって、これは読み方の手本になる。用いられない期間は、外から見れば損失にしか見えない。だがその期間にしか身につかないものがある。忙しく回っている人は、目の前の役割に必要な能力しか伸ばせない。逆に役割が無い期間は、何を身につけるかを自分で選べる唯一の時間でもある。孔子はその期間の産物を、後に大きく使った。停滞を無駄と数えるか蓄積と数えるかは、過ごし方で決まる。

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる