古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

論語 / 公冶長篇

子曰:「臧文仲居蔡,山節藻梲。何如其知也?」

書き下し

子曰く、臧文仲、蔡を居き、節を山にし梲に藻がく。何如ぞ其れ知ならん。

現代語訳

先生がおっしゃった。「臧文仲は(占いに使う)大きな亀を家にしまい、柱の上の枡形に山の模様を彫り、梁の上の短い柱に水草を描いた。どうしてこれが知恵ある人と言えようか。」

解説

臧文仲は世間で知者と評判の人物だった。孔子はその評判を、身の回りの設えひとつで否定している。大亀も彫刻も、本来は君主の宗廟に許された格式である。分をわきまえない飾りを咎めたと読めるが、それだけではない。知恵があると評判の人が、なぜ格式の逸脱に鈍かったのか、という問いが立てられている。頭の良さと、自分の位置を見る目は別物だという指摘である。実務でもよく見る形だ。判断は鋭いのに、自分の権限の範囲には無自覚な人がいる。決裁を飛ばし、慣例を越え、それを効率と呼ぶ。周囲は能力を認めているぶん、指摘しにくい。知恵とは問題を解く力だけを指さない。自分がどこに立っているかを見誤らない力も、そこに含まれる。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る

この章句が説くこと

知恵分限僭越臧文仲自己認識

関連する章句

論語の全501章を原文・書き下し・現代語訳で一覧に(PDF・480円)中身を見る