師導古典を学びたいすべての人に

驢鞍橋 / 卷下

去る曉ふと曰く、われ只今しぬと云ふきに成り、ひして迫て居る也。久しく如是有る間、最はやひまあかんずことじやが、扨て扨てかたき物哉と也。

新字:去る暁ふと曰く、われ只今しぬと云ふきに成り、ひして迫て居る也。久しく如是有る間、最はやひまあかんずことじやが、扨て扨てかたき物哉と也。

書き下し

去る暁ふと曰く、われ只今しぬと云ふきに成り、ひして迫て居る也。久しく如是有る間、最はやひまあかんずことじやが、扨て扨てかたき物哉と也。

現代語訳

ある明け方、ふと言われた。私は、ただ今死ぬという気持ちになって、ひしと迫っているのである。長くこのようにしているから、もう暇が明きそうなものだが、なんとも固いものだな、と。

解説

明け方、正三はふと、今まさに死ぬという気持ちが迫っている、と漏らす。これほど長く死を見つめてきたのだから、もう生死の問題に決着がつきそうなものだが、なかなか固くて明かない、と。晩年の正三の、生々しく率直な独白である。長年取り組んできた問題に、なお決着がつかないもどかしさを、飾らずに語っている。終わりのない問いと向き合い続ける人の孤独と誠実さが伝わる短い条である。

この章句が説くこと

死機晩年独白切実決着誠実

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる