李衛公問対 / 卷中
善戰者,其勢險,其節短;勢加彍弩,節如發機。
新字:善戦者,其勢険,其節短;勢加彍弩,節如発機。
書き下し
善く戦う者は、其の勢い険しく、其の節短し。勢は彍弩に加え、節は機を発するが如し。
現代語訳
戦いに巧みな者は、その勢いが険しく、そのタイミングが短く鋭い。勢いは引き絞った弩のようであり、そのタイミングは引き金を落とす瞬間のようである。
解説
孫子由来のこの一節を、李靖は勢いと間合いという二つの軸で捉え直す。力をため込む段階と、それを一気に解き放つ瞬間とを分けて考える発想である。仕事の交渉や勝負どころでも、じっくり機をうかがう時間と、決断して動く一瞬とは性質が異なる。ためている間に焦って動いてしまえば力は分散し、逆にため過ぎて機を逃せば意味がない。弩を引き絞ったまま構え、機が来た瞬間だけ発するという緊張感を保てるかが問われる。
この章句が説くこと
勢い間合い決断