列子 / 説符篇
虞氏者、梁之富人也、家充殷盛、錢帛無量、財貨無訾。登高樓、臨大路、設樂陳酒、擊博樓上。俠客相隨而行、樓上博者射、明瓊張中、反兩㯓魚而笑、飛鳶適墜其腐鼠而中之。俠客相與言曰:「虞氏富樂之日久矣、而常有輕易人之志。吾不侵犯之、而乃辱我以腐鼠。此而不報、無以立慬於天下。請與若等戮力一志、率徒屬必滅其家爲等倫。」皆許諾。至期日之夜、聚衆積兵以攻虞氏、大滅其家。
新字:虞氏者、梁之富人也、家充殷盛、銭帛無量、財貨無訾。登高楼、臨大路、設楽陳酒、撃博楼上。侠客相随而行、楼上博者射、明瓊張中、反両㯓魚而笑、飛鳶適墜其腐鼠而中之。侠客相与言曰:「虞氏富楽之日久矣、而常有軽易人之志。吾不侵犯之、而乃辱我以腐鼠。此而不報、無以立慬於天下。請与若等戮力一志、率徒属必滅其家為等倫。」皆許諾。至期日之夜、聚衆積兵以攻虞氏、大滅其家。
書き下し
虞氏なる者は、梁の富人なり。家は充ち殷盛にして、錢帛量る無く、財貨訾る無し。高樓に登り、大路に臨み、樂を設け酒を陳ね、樓上に博を擊つ。俠客相い隨いて行く。樓上の博する者射て、明瓊張りて中つ。兩㯓の魚を反して笑うに、飛鳶適々其の腐鼠を墜として之に中つ。俠客相い與に言いて曰く、虞氏の富樂の日久し。而して常に人を輕易するの志有り。吾之を侵犯せざるに、乃ち我を辱むるに腐鼠を以てす。此れにして報いずんば、以て天下に慬を立つる無し。請う若等と力を戮せ志を一にし、徒屬を率いて必ず其の家を滅ぼして等倫と爲さん、と。皆な許諾す。期日の夜に至り、衆を聚め兵を積みて以て虞氏を攻め、大いに其の家を滅ぼす。
現代語訳
虞氏という者は、梁の金持ちであった。家は満ち栄え、銭も絹も量りきれず、財貨も数えきれなかった。高い楼に登り、大通りを見下ろし、音楽を用意し酒を並べ、楼の上で博打を打っていた。任俠の徒が連れ立って通りかかった。楼の上で博打をしていた者が賽を投げ、大当たりが出た。二匹の魚の駒をひっくり返して笑ったところに、飛んでいた鳶がちょうど咥えていた腐った鼠を落とし、それが任俠の者に当たった。任俠の者たちは話し合って言った。「虞氏が富み栄えて久しい。それでいて常に人を見くびる気持ちを持っている。我々は何も手出ししていないのに、腐った鼠で我々を辱めた。これに報いなければ、天下に面目が立たない。どうか君たちと力を合わせ志を一つにして、手下を率いて必ずその家を滅ぼし、けりをつけよう」。みなが承知した。約束の日の夜、人を集め武器を積んで虞氏を攻め、その一家をすっかり滅ぼした。
解説
この章句が説くこと
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