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列子 / 力命篇

農赴時、商趣利、工追術、仕逐勢、勢使然也。然農有水旱、商有得失、工有成敗、仕有遇否、命使然也。

書き下し

農は時に赴き、商は利に趣き、工は術を追い、仕は勢を逐う。勢の然らしむるなり。然れども農に水旱有り、商に得失有り、工に成敗有り、仕に遇否有り。命の然らしむるなり。

現代語訳

農民は時季に向かい、商人は利益に向かい、職人は技を追い、官に仕える者は勢いを追う。それは勢いがそうさせるのである。しかし農民には水害や干魃があり、商人には儲けと損があり、職人には出来不出来があり、官に仕える者には巡り合わせの良し悪しがある。それは命がそうさせるのである。

解説

力命篇の結びは、わずか四十七字です。人が何に向かって励むかは勢いが決め、その結果がどう転ぶかは命が決める。二つの層をきれいに分けています。ここまでの長い議論の要約であり、実務的にはもっとも使いやすい形になっています。自分が何に向かうかは選べる。結果は選べない。この線引きを持っていれば、結果で自分を裁くことも、結果で人を裁くこともなくなります。ただし、向かうことをやめる口実にはなりません。農民が時季に向かうのをやめれば、水害を待つまでもなく収穫はゼロです。勢いの側は、依然として全部こちらの持ち場です。

この章句が説くこと

農は時に赴き商は利に趣く勢の然らしむるなり農に水旱有り商に得失有り命の然らしむるなり

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