列子 / 湯問篇
操蛇之神聞之、懼其不已也、告之於帝。帝感其誠、命夸蛾氏二子負二山、一厝朔東、一厝雍南。自此、冀之南、漢之陰、無隴斷焉。
新字:操蛇之神聞之、懼其不已也、告之於帝。帝感其誠、命夸蛾氏二子負二山、一厝朔東、一厝雍南。自此、冀之南、漢之陰、無隴断焉。
書き下し
蛇を操るの神之を聞き、其の已まざるを懼れ、之を帝に告ぐ。帝其の誠に感じ、夸蛾氏の二子に命じて二山を負わしめ、一つを朔東に厝き、一つを雍南に厝く。此れより、冀の南、漢の陰、隴斷無し。
現代語訳
蛇をあやつる神がこれを聞き、彼がやめないことを恐れて、天帝に告げた。天帝はその誠実さに心を動かし、夸蛾氏の二人の子に命じて二つの山を背負わせ、一つを朔方の東に置き、一つを雍州の南に置いた。これ以来、冀州の南、漢水の南岸には、行く手をさえぎる丘がなくなった。
解説
結末は、山が人力で削り取られたのではなく、神が動かしたことになっています。ここを「結局は奇跡頼み」と読むと、話の要点を外します。神が動いた理由が明記されているからです。「其の已まざるを懼れ」――彼がやめないことを恐れた。能力でも計画でもなく、やめないという一点が周囲を動かしました。実務でも同じことが起きます。無理だと思われた取り組みが通るのは、精緻な計画が認められたときより、この人はやめないと周りが理解したときのほうが多い。ただし、やめないと思われるには、実際に何年かやめずにいる必要があります。宣言では足りません。
この章句が説くこと
其の已まざるを懼る帝其の誠に感ず夸蛾氏の二子二山を負う隴断無し
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