礼記 / 内則
酒:清、白。 羞:糗,餌,粉,酏。 食:蝸醢而菰食,雉羹;麥食,脯羹,雞羹;析稌,犬羹,兔羹;和糝不蓼。濡豚,包苦實蓼;濡雞,醢醬實蓼;濡魚,卵醬實蓼;濡鱉,醢醬實蓼。腶修,蚳醢,脯羹,兔醢,麋膚,魚醢,魚膾,芥醬,麋腥,醢,醬,桃諸,梅諸,卵鹽。
新字:酒:清、白。 羞:糗,餌,粉,酏。 食:蝸醢而菰食,雉羹;麦食,脯羹,鶏羹;析稌,犬羹,兔羹;和糝不蓼。濡豚,包苦実蓼;濡鶏,醢醬実蓼;濡魚,卵醬実蓼;濡鱉,醢醬実蓼。腶修,蚳醢,脯羹,兔醢,麋膚,魚醢,魚膾,芥醬,麋腥,醢,醬,桃諸,梅諸,卵塩。
書き下し
酒は、清・白。 羞(しゅう)は、糗(きゅう)・餌(じ)・粉(ふん)・酏(い)。 食は、蝸醢(かかい)にして菰食(こし)、雉羹。麦食に、脯羹(ほこう)・鶏羹。析稌(せきと)に、犬羹・兎羹。和糝(わさん)して蓼(たで)せず。濡豚(じゅとん)は、苦を包みて蓼を実(み)たす。濡鶏は、醢醤にして蓼を実たす。濡魚は、卵醤にして蓼を実たす。濡鼈(じゅべつ)は、醢醤にして蓼を実たす。腶修(だんしゅう)には蚳醢(ちかい)、脯羹には兎醢、麋膚(びふ)には魚醢、魚膾には芥醤、麋腥(びせい)には醢、醤。桃諸(とうしょ)・梅諸、卵塩。
現代語訳
酒は、清酒と白酒(濁り酒)である。 羞(間食の菓子)は、糗(炒った米や麦の粉)、餌(米粉の団子)、粉(米粉をまぶした餅)、酏(粥で作った食べ物)である。 食の取り合わせは、かたつむりの塩辛には真菰の実の飯と雉の吸い物を合わせる。麦の飯には、干し肉の吸い物と鶏の吸い物を合わせる。割り砕いた稲の飯には、犬の吸い物と兎の吸い物を合わせる。吸い物には米の粉を混ぜて調え、蓼は入れない。濡豚(煮込んだ豚)は、苦菜で包み、腹に蓼を詰める。濡鶏は、塩辛と醤で味つけし、腹に蓼を詰める。濡魚は、魚卵の醤で味つけし、腹に蓼を詰める。濡鼈(煮込んだすっぽん)は、塩辛と醤で味つけし、腹に蓼を詰める。腶修(香辛料を加えた干し肉)には蟻の卵の塩辛を、干し肉の吸い物には兎の塩辛を、大鹿の皮付きの肉には魚の塩辛を、魚のなますにはからし味噌を、大鹿の生肉には塩辛と醤を添える。桃の干したもの、梅の干したものには、粒の大きな塩を添える。
解説
この章句が説くこと
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礼記・内則飯は、黍(しょ)・稷(しょく)・稲・粱・白黍・黄粱・稰(しょ)・穛(さく)。 膳は、膷(きょう)・臐(くん)・膮(ぎょう)・醢(かい)・牛炙(ぎゅうしゃ)。醢・牛胾(ぎゅうし)、醢・牛膾(ぎゅうかい)。羊炙・羊胾、醢・豕炙(ししゃ)。醢・豕胾、芥醤(かいしょう)・魚膾。雉・兎・鶉(じゅん)・鷃(あん)。 飲は、重醴(ちょうれい)、稲醴の清糟(せいそう)、黍醴の清糟、粱醴の清糟、或いは酏(い)を以て醴と為す。黍酏・漿(しょう)・水・醷(い)・濫(らん)。
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礼記・内則凡そ食の斉(ざい)は春の時に視(なぞら)え、羹の斉は夏の時に視え、醤の斉は秋の時に視え、飲の斉は冬の時に視う。凡そ和は、春は酸を多くし、夏は苦を多くし、秋は辛を多くし、冬は鹹(かん)を多くし、調うるに滑甘を以てす。牛は稌(と)に宜しく、羊は黍に宜しく、豕は稷に宜しく、犬は粱に宜しく、雁は麦に宜しく、魚は苽(こ)に宜し。春は羔豚(こうとん)に宜しく、膳するに膏薌(こうきょう)を以てす。夏は腒鱐(きょしゅく)に宜しく、膳するに膏臊(こうそう)を以てす。秋は犢麑(とくげい)に宜しく、膳するに膏腥を以てす。冬は鮮羽に宜しく、膳するに膏羶(こうせん)を以てす。牛修・鹿脯・田豕脯・麋脯・麇脯。麋・鹿・田豕・麇は、皆軒(けん)有り。雉・兎は皆芼(ぼう)有り。爵・鷃・蜩(ちょう)・范(はん)・芝栭(しじ)・菱・椇(く)・棗・栗・榛・柿・瓜・桃・李・梅・杏・楂(さ)・梨・姜(きょう)・桂。大夫の燕食には、膾有れば脯無く、脯有れば膾無し。士は羹胾(こうし)を弐(ふたつ)にせず。庶人の耆老は徒食せず。膾は、春には葱を用い、秋には芥を用う。豚は、春には韭(にら)を用い、秋には蓼を用う。脂には葱を用い、膏には薤(らっきょう)を用い、三牲には藙(ぎ)を用い、和には醯(けい)を用い、獣には梅を用う。鶉羹・鶏羹・鴽(じょ)は、これに釀(じょう)するに蓼を以てす。魴鱮(ほうしょ)は烝(む)し、雛は焼き、雉は、薌(きょう)にして蓼無し。雛鼈(すうべつ)を食らわず。狼は腸を去り、狗は腎を去り、狸は正脊(せいせき)を去り、兎は尻を去り、狐は首を去り、豚は脳を去り、魚は乙を去り、鼈は醜を去る。肉にはこれを脱すと曰い、魚にはこれを作(さく)すと曰い、棗にはこれを新たにすと曰い、栗にはこれを撰(えら)ぶと曰い、桃にはこれを膽(たん)すと曰い、柤梨にはこれを攢(さん)すと曰う。牛夜鳴けば則ち庮(ゆう)なり。羊の泠毛(れいもう)にして毳(ぜい)なるは、羶なり。狗の赤股にして躁なるは、臊(そう)なり。鳥の麃色(ひょうしょく)にして沙鳴するは、鬱なり。豕の望視して交睫(こうしょう)するは、腥なり。馬の黒脊にして般臂(はんぴ)なるは、漏(ろう)なり。雛の尾握に盈(み)たざるは食らわず。舒雁(じょがん)の翠(すい)、鵠鴞(こくきょう)の胖(はん)、舒鳧(じょふ)の翠、鶏の肝、雁の腎、鴇(ほう)の奥、鹿の胃。肉の腥(なま)にして細き者を膾と為し、大なる者を軒と為す。或いは曰く、麋・鹿・魚は菹(そ)と為し、麇は辟鶏(へきけい)と為し、野豕は軒と為し、兎は宛脾(えんぴ)と為し、葱若(も)しくは薤を切り、諸(これ)を醯に実たして以てこれを柔らかにす、と。羹食は、諸侯自り以下庶人に至るまで等無し。大夫には秩膳無し。大夫七十にして閣有り。天子の閣は、左に達すること五、右に達すること五。公侯伯は房中に五、大夫は閣に三、士は坫(てん)に一。
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礼記・内則糝(さん)は、牛・羊・豕の肉を取り、三つながら一の如くしてこれを小切し、稲米と与(とも)にす。稲米二、肉一、合わせて以て餌と為してこれを煎る。 肝膋(かんりょう)は、狗の肝一を取り、これを幪(おお)い、其の膋(りょう)を以て濡らしてこれを炙り、焦(こ)がるるを挙げ、其の膋は蓼せず。稲米を取り挙げてこれを糔溲(しゅうしゅう)し、狼の臅膏(しょくこう)を小切して、以て稲米と与に酏と為す。
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礼記・少儀燕(くつろ)ぎて君子に侍食すれば、則ち先ず飯して後に已む。放飯すること毋く、流歠(りゅうせつ)すること毋く、小飯して之を亟(すみ)やかにし、数(しばしば)噍(か)みて口容を為すこと毋かれ。客自ら徹し、辞すれば焉ち止む。客の爵は左に居き、其の飲めるは右に居く。介爵・酢爵(さくしゃく)・僎爵(せんしゃく)は皆右に居く。濡魚を羞むる者は尾を進む。冬は腴(ゆ)を右にし、夏は鰭(き)を右にす。膴(ぶ)を祭る。凡そ斉(せい)は、之を執るに右を以てし、之を居くに左に於いてす。幣を賛くるは左よりし、辞を詔(つ)ぐるは右よりす。尸に酌むの僕は、君の僕の如くす。其の車に在るときは則ち左に轡を執り右に爵を受け、左右の軌范(きはん)を祭りて乃ち飲む。凡そ羞に俎有る者は、則ち俎の内に祭る。君子は圂腴(こんゆ)を食わず。小子は走りて趨らず。爵を挙ぐれば則ち坐して祭り立ちて飲む。凡そ洗には必ず盥(てあら)う。牛羊の肺は、離して心を提(た)たず。凡そ羞に湆(きゅう)有る者は、斉を以てせず。君子の為に葱薤(そうかい)を択べば、則ち其の本末を絶つ。首を羞むる者は、喙(かい)を進めて耳を祭る。尊は酌む者の左を以て上尊と為す。壺を尊(お)く者は其の鼻を面にす。飲酒する者・禨(き)する者・醮(しょう)する者は、折俎有れば坐せず。未だ爵を歩(めぐ)らさざれば、羞を嘗めず。牛と羊と魚との腥(せい)は、聶(しょう)して之を切りて膾(かい)と為す。麋鹿を菹(そ)と為し、野豕を軒(けん)と為し、皆聶して切らず。麇(きん)を辟雞(へきけい)と為し、兎を宛脾(えんぴ)と為し、皆聶して之を切る。葱若しくは薤を切りて、之を醯(けい)に実(み)てて以て之を柔らぐ。其の折俎有る者は、祭肺を取りて、之を反し、坐せず。燔(はん)も亦之の如くす。尸は則ち坐す。
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論語・郷党篇食は精を厭わず、膾は細きを厭わず。食の饐して餲せると、魚の餒れて肉の敗れたるとは、食らわず。色悪しきは食らわず、臭悪しきは食らわず。飪を失えるは食らわず、時ならざるは食らわず。割正しからざるは食らわず、其の醬を得ざれば食らわず。肉は多しと雖も、食気に勝たしめず。唯だ酒は量無きも、乱に及ばず。沽える酒と市える脯とは食らわず。薑を撤てて食らい、多くは食らわず。公に祭れば、肉を宿さず。祭肉は三日を出ださず。三日を出ずれば、之を食らわず。食らうに語らず、寝ぬるに言わず。疏食菜羹瓜と雖も祭れば、必ず斉如たり。
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礼記・玉藻侍坐すれば、則ち必ず席を退く。退かざれば、則ち必ず引きて君の党を去る。席に登るに前由(よ)りせず、席を躐(ふ)むと為す。徒坐には席を尽くさざること尺、書を読み、食すれば、則ち斉(ひと)しくし、豆は席を去ること尺。若し之に食を賜いて君之を客とすれば、則ち之に祭を命じ、然る後に祭る。先ず飯して辯(あまね)く羞を嘗め、飲みて俟(ま)つ。若し羞を嘗むる者有れば、則ち君の食するを俟ちて、然る後に食し、飯して、飲みて俟つ。君之に羞を命ずれば、近き者を羞め、之に品嘗を命じ、然る後に唯欲する所のままにす。凡そ遠食を嘗むるには、必ず近食に順う。君未だ手を覆さざれば、敢えて飧(そん)せず。君既に食すれば、又飯飧す。飯飧する者は、三飯なり。君既に徹すれば、飯と醤とを執りて乃ち出で、従者に授く。凡そ侑食には、食を尽くさず。人に食するときは飽かず。唯水漿は祭らず、若し祭れば已(はなは)だ偝卑(はいひ)と為す。君若し之に爵を賜えば、則ち席を越えて再拝稽首して受け、席に登りて之を祭り、飲みて爵を卒(お)えて君の爵を卒うるを俟ち、然る後に虚爵を授く。君子の酒を飲むや、一爵を受けて色灑如(しゃじょ)たり、二爵にして言言斯(ぎんぎんし)たり、礼は三爵に已みて油油(ゆうゆう)として以て退く。退けば則ち坐して屨を取り、隠辟(いんぺき)して而る後に屨く。左に坐しては右を納れ、右に坐しては左を納る。凡そ尊は必ず玄酒を上にす。唯君のみ尊に面す。唯野人を饗するときは皆酒なり。大夫は側尊に棜(よ)を用い、士は側尊に禁を用う。
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