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宋名臣言行録 / 後集巻九・蘇轍

轍論之曰先帝在位近二十年而終身不受尊號裁損宗室恩止袒免减朝廷無窮之費出賣坊場雇募衙前免民間破家之患罷黜諸家誦數之學訓練諸將慵惰之兵置寄禄之官復六曹之舊嚴重禄之法禁交謁之私行淺攻之䇿以制西戎收六色之錢以寛雜役凡如此類皆先帝之睿筭有利無害而元祐以來上下奉行未嘗失墜者也

新字:轍論之曰先帝在位近二十年而終身不受尊号裁損宗室恩止袒免减朝廷無窮之費出売坊場雇募衙前免民間破家之患罷黜諸家誦数之学訓練諸将慵惰之兵置寄禄之官復六曹之旧厳重禄之法禁交謁之私行浅攻之策以制西戎収六色之銭以寛雑役凡如此類皆先帝之睿筭有利無害而元祐以来上下奉行未嘗失墜者也

書き下し

轍之を論じて曰く、先帝位に在ること二十年に近くして終身尊號を受けず。宗室の恩を裁損して袒免に止め、朝廷無窮の費を減ず。坊場を出賣し衙前を雇募して民間破家の患いを免る。諸家誦數の學を罷黜し、諸將慵惰の兵を訓練す。寄禄の官を置き六曹の舊に復す。重禄の法を嚴にし交謁の私を禁ず。淺攻の策を行いて以て西戎を制し、六色の錢を收めて以て雜役を寛やかにす。凡そ此くの如きの類は皆先帝の睿算にして利有り害無し。而して元祐以來上下奉行して未だ嘗て失墜せざる者なり。

現代語訳

蘇轍はこれを論じて言った。「先帝は位にあること二十年近くにして、生涯、尊号をお受けにならなかった。皇族への恩を切り詰めて袒免の親等までに止め、朝廷の際限ない費用を減らされた。坊場を売り出し、衙前を雇い募って、民間が家を潰す患いを免れさせた。諸家の暗誦と数合わせの学を廃し、諸将の下の怠けた兵を訓練された。寄禄の官を置き、六曹の旧に復された。厚禄の法を厳しくし、私的な交際と訪問を禁じられた。浅く攻める策を行って西戎を制し、六色の銭を収めて雑役を緩められた。およそこのような類はみな、先帝のすぐれた計らいであって、利があって害がない。そして元祐以来、上下が実行して一度も落としたことのないものである」。

解説

先帝を否定していないことを、事実で示した段です。しかも冒頭に置いたのが、これでした。**位にあること二十年近くにして、生涯、尊号をお受けにならなかった。**称号を受けない、という一点から始める。以下、続くものはみな削ったこと、緩めたことです。皇族の恩を切り詰め、費用を減らし、家を潰す患いを免れさせ、雑役を緩めた。そして念を押します。**元祐以来、上下が実行して一度も落としたことのないものである。**

この章句が説くこと

先帝位に在ること二十年に近くして終身尊号を受けず宗室の恩を裁損して袒免に止め朝廷無窮の費を減ず坊場を出売し衙前を雇募して民間破家の患いを免る凡そ此くの如きの類は皆先帝の睿算にして利有り害無し先帝継承

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