宋名臣言行録 / 後集巻八・吕希哲
正獻公教公事事循規矩甫十嵗祁寒暑□侍立終日不命之坐不敢坐也日必冠帶以見長者平居雖天甚熱在父母長者之側不得去巾襪縛袴衣服唯謹行歩出入無得入茶肆酒肆市井里巷之語鄭衛之音未嘗一經於耳不正之書非禮之色未嘗一接於目公嘗言人生内無賢父兄外無嚴師友而能有成者少矣
新字:正献公教公事事循規矩甫十歳祁寒暑□侍立終日不命之坐不敢坐也日必冠帯以見長者平居雖天甚熱在父母長者之側不得去巾襪縛袴衣服唯謹行歩出入無得入茶肆酒肆市井里巷之語鄭衛之音未嘗一経於耳不正之書非礼之色未嘗一接於目公嘗言人生内無賢父兄外無厳師友而能有成者少矣
書き下し
正獻公公に事事規矩に循うを教う。甫めて十歳、祁寒暑□、侍立して終日、之に坐を命ぜざれば敢えて坐さざるなり。日に必ず冠帶して長者に見ゆ。平居天甚だ熱しと雖も、父母長者の側に在れば巾襪縛袴を去るを得ず。衣服惟だ謹しむ。行歩出入、茶肆酒肆に入るを得ず。市井里巷の語、鄭衛の音、未だ嘗て一たびも耳を經ず。不正の書、非禮の色、未だ嘗て一たびも目に接せず。公嘗て言う、人生内に賢父兄無く外に嚴師友無くして能く成る有る者は少なしと。
現代語訳
父の正献公は、公に何事も規矩に従うよう教えた。まだ十歳のとき、厳しい寒さや暑さ〔一字を欠く〕の中でも、そばに立って一日じゅう控え、座るよう命じられなければ、あえて座らなかった。毎日必ず冠と帯をつけて年長者にまみえた。ふだんも、たいそう暑くとも、父母や年長者のそばにいるときは、頭巾も足袋も袴の紐も外すことができなかった。衣服はひたすら慎んだ。歩き回り出入りするのに、茶屋や酒屋に入ることができなかった。町なかや路地の言葉、鄭や衛の淫らな音楽は、一度も耳を通らなかった。正しくない書物、礼にかなわない色は、一度も目に触れなかった。公はかつて言った。「人生、内に賢い父兄がなく、外に厳しい師友がなくて、成るところのある者は少ない」。
解説
細かい規矩が並んだ後に、当人の総括が置かれています。**内に賢い父兄がなく、外に厳しい師友がなくて、成るところのある者は少ない。**自力で成った、とは言っていません。内と外の両方に、押さえる人がいたと数えている。並んだ規矩を見ると、多くは禁止です。何を身につけたかより、何が耳と目に入らなかったかが書かれている。**町なかや路地の言葉、鄭や衛の淫らな音楽は、一度も耳を通らなかった。**
この章句が説くこと
正献公公に事事規矩に循うを教う甫めて十歳侍立して終日之に坐を命ぜざれば敢えて坐さざるなり市井里巷の語鄭衛の音未だ嘗て一たびも耳を経ず人生内に賢父兄無く外に厳師友無くして能く成る有る者は少なし教育環境
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