孫子 / 火攻篇
火發上風,無攻下風;晝風久,夜風止。
新字:火発上風,無攻下風;昼風久,夜風止。
書き下し
火発するに上風にして、下風を攻むること無かれ。昼は風久しく、夜は風止む。
現代語訳
火を上風から発し、下風方向に攻めることは避けよ。昼と夜で風の性質が異なる。
解説
火攻篇で、火を使う際の具体的な注意を説いた一節です。火は風上から放ち、風下から攻めてはならない。また、昼に長く吹いた風は夜には止むものだ、と孫子は言います。風下から攻めれば、その火や煙は自軍に襲いかかってくる——放った火が味方を焼く、という自滅を避けよという実践的な警告です。加えて、風には昼夜のリズムがあることも見落とすな、と付け加えます。仕事でも、強力な手段は、使い方を誤れば自分に跳ね返ってきます。相手を攻撃する仕掛けが、条件しだいで自陣を傷つけることは珍しくない。だからこそ、風向き=状況の流れを読み、自分に不利に働かない位置から動く。強い手段ほど、自滅しない使い方が問われる。武器の反作用への注意を、この一節は教えます。
この章句が説くこと
風環境有利不利
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