宋名臣言行録 / 後集巻八・吕公著
夏秋淫□京師地震公言君人者去偏聽獨任之弊而不主先入之語則不為邪說所亂顔淵問為邦孔子以逺佞人為戒盖佞人惟恐不合於君則其勢易親正人惟恐不合於義則其勢易疏惟先格王正厥事盖未有事正而世不治者惟陛下勉行而勉終之
新字:夏秋淫□京師地震公言君人者去偏聴独任之弊而不主先入之語則不為邪説所乱顔淵問為邦孔子以遠佞人為戒盖佞人惟恐不合於君則其勢易親正人惟恐不合於義則其勢易疏惟先格王正厥事盖未有事正而世不治者惟陛下勉行而勉終之
書き下し
夏秋に淫□、京師に地震あり。公言う、人に君たる者は偏聽獨任の弊を去りて先入の語を主とせざれば、則ち邪説の亂す所と爲らず。顔淵邦を爲むるを問う。孔子は佞人を遠ざくるを以て戒めと爲す。蓋し佞人は惟だ君に合わざるを恐る。則ち其の勢い親しみ易し。正人は惟だ義に合わざるを恐る。則ち其の勢い疏んじ易し。惟だ先ず王を格し其の事を正す。蓋し未だ事正しくして世治まらざる者有らざるなり。惟だ陛下勉めて行い勉めて之を終えよと。
現代語訳
夏から秋にかけて長雨〔一字を欠く〕があり、都で地震があった。公は言った。「人の君たる者は、偏った聞き方と一人任せの弊を除き、先に耳に入った言葉を主としなければ、よこしまな説に乱されることはありません。顔淵が国の治め方を問いました。孔子は媚びる人を遠ざけることを戒めとしました。思うに、媚びる人はただ君に合わないことだけを恐れます。だからその勢いとして、親しみやすい。正しい人はただ義に合わないことだけを恐れます。だからその勢いとして、疎んじられやすい。ただまず王を正し、その事を正すのです。事が正しくて世が治まらなかったためしはありません。どうか陛下、努めて行い、努めてこれを終えてください」。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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李衛公問対・卷上凡そ兵は前向を以て正と為し、後却を以て奇と為す。
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『弁名』公正直正は邪の反なり。先王の道に循ふ、是れを正と謂ふ。先王の道に循はざる、是れを邪と謂ふ。邪謀・邪説の如き、以て見るべきのみ。諸を規矩準縄に辟ふ、正を為す所以の器なり。規に循へば則ち円なる者正しく、矩に循へば則ち方なる者正しく、準縄に循へば則ち平直なる者正し。先王の道は規矩準縄なり。故に先王の道に循ひて而る後に正と為す。曾子曰く「吾正を得て斃れなば斯れ已まん」と。大夫の簀は礼に非ざるを以てなり。経解に曰く「礼の国を正すに於けるや、猶ほ衡の軽重に於ける、縄墨の曲直に於ける、規矩の方円に於けるがごときなり」と。詩に曰く「其の儀忒はず、是の四国を正す」と。孔子曰く「其の身正しければ、令せずして行はる。其の身正しからざれば、令すと雖も従はず」と。皆礼を以て之を言ふ。
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言志四録・言志晩録 別存 第四十三条 正と公の二字公晩年余に謂ひて曰く、「吾職に在ること四十九年、幸ひに首領を全うす。訣は二字に在り。之を識るや否や」と。余請ひ問ふ。公曰く、「正の字、公の字」と。余其の言の虚ならざるに服す。公既に館を捐つ。其の翌辛丑、朝政一新す。図らざりき、余濫りに擢挙を蒙り、晩に仕途に就かんとは。官事諳んぜず、暗室に入るが如し。忽ち公の言を憶ひ、奉じて以て周旋す。庶はくは亦能く首領を全うして以て終らん。
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『弁名』公正直後世理学興りて、先王の礼を舎てて理を以て之を言ふ。理を以て之を言ふ者は、其の臆を取るのみ。其の臆を取りて正と為す、是れ人自ら正と為す。妄なりと謂ふべし。易に中正有り、其の義は它書と同じからず。宋儒蓋し之を混ず。是れ其の失ふ所以なり。又た大学の「正心」の如きも、亦た心の礼に一なるを正と為すを謂ふ。其の書は本養老の礼の義を説く。其の礼を行ふ時に方りて、先づ忿懥・恐懼・好楽・憂患の事有れば、則ち心礼に一なることを得ず。故に「心其の正を得ず」と曰ふ。養老は飲食の礼なり。故に「食らへども其の味を知らず」と曰ふ。宋儒は礼を以て之を解するを知らず、誤れり。仲虺の誥に曰く「礼を以て心を制す」と。古の道は爾りと為す。仁斎先生遂に大学の正心を以て仏老の帰と為すは、皆古言を知らざる故なり。
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『十善法語』巻第四・不妄語戒法トシテ如是シヤニ由テ。言語ソノ正ヲ得レハ人道立シ。天道立チ優ニ聖域ニ入ル。言語其正ヲ失ヘハ法性ニソムキ天道人理ニ背キ。生生ノ処ニ人身ヲ失フシヤ。是ヲ容易ニ思者ハ愚ノ至リシヤ。邪正得失カ此言音ノ中ニ在テ明白歴然シヤ。善悪吉凶モ此言音ノ中ニ在テ毫釐ヲ差ヘヌシヤ。此徳有情ノ言音ハカリテナク。非衆生楽器ノ声韻モ其正ヲ得レハ此徳有ル。其正ヲ失ヘハ其害有ルシヤ。内外典ノ中ニ其事実多キコトシヤ。
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『大和俗訓』巻之四・心術下一万の事、正あり、中あり。正とは邪ならざるを云ふ。是善なり。中とは過不及なくして、よきほどなるを云ふ。是至善なり。のどかわく時湯水をのみ、うゑて食するは是正なり。よこしまにはあらず。かわくとて飲過し、うゑたるとて食過すは、中にあらず。よきほどに飲み食ふは中なり。是を以て万事をおして知るべし。正なれども、中ならざれは、至善ならず。凡万のわざ、過不及なく、よき程なるは、中なり。是即道のある所なり。過不及ありて、よき程ならざれば、善事なりとても、道にかなはず。

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