宋名臣言行録 / 後集巻六・王安石
公改科舉暮年乃覺其失曰本欲變學究為秀才不謂變秀才為學究葢舉子専誦王氏章句而不解義正如學究誦注疏爾
新字:公改科舉暮年乃覚其失曰本欲変学究為秀才不謂変秀才為学究葢舉子専誦王氏章句而不解義正如学究誦注疏爾
書き下し
公科舉を改む。暮年乃ち其の失を覺りて曰く、本と學究を變じて秀才と爲さんと欲す。謂わざりき、秀才を變じて學究と爲さんとはと。蓋し舉子は專ら王氏の章句を誦して義を解せず。正に學究の注疏を誦するが如きのみ。
現代語訳
王安石は科挙を改めた。晩年になってその失敗に気づいて言った。「もともとは、字句の暗記屋を本物の学者に変えようとしたのだ。まさか、本物の学者を字句の暗記屋に変えることになるとは思わなかった」。思うに受験者は、もっぱら王氏の注釈の章句を暗誦するばかりで意味を解さない。ちょうど暗記屋が注疏を暗誦しているのと同じであった。
解説
改革の目的と結果が、そのまま入れ替わった条です。**もともとは、字句の暗記屋を本物の学者に変えようとしたのだ。まさか、本物の学者を字句の暗記屋に変えることになるとは思わなかった。**暗記させる対象を、注疏から自分の注釈に替えただけでした。試験がある限り、そこに載るものが暗記される。**もっぱら王氏の注釈の章句を暗誦するばかりで意味を解さない。**中身を入れ替えても、試験という器の形は変わりませんでした。
この章句が説くこと
公科舉を改む暮年乃ち其の失を覚る本と学究を変じて秀才と為さんと欲す謂わざりき秀才を変じて学究と為さんとは舉子は専ら王氏の章句を誦して義を解せず改革逆効果
関連する章句
-
史記 孫子呉起列伝楚の悼王、素より起の賢なるを聞き、至れば則ち楚に相とす。法を明らかにし令を審らかにし、不急の官を捐て、公族の疏遠なる者を廃し、以て戦闘の士を撫養す。要は兵を彊くし、馳説の従横を言ふ者を破るに在り。是に於いて南は百越を平らげ、北は陳・蔡を并せ、三晋を卻け、西は秦を伐つ。諸侯、楚の彊きを患ふ。故に楚の貴戚尽く呉起を害せんと欲す。悼王死するに及び、宗室大臣、乱を作して呉起を攻む。呉起、走りて王の尸に之きて之に伏す。起を撃つの徒、因りて呉起を射刺し、并せて悼王に中つ。悼王既に葬られ、太子立ち、乃ち令尹をして尽く呉起を射て并せて王の尸に中つる者を誅せしむ。起を射るに坐して宗を夷げられて死せし者七十余家。
-
『韓非子』孤憤第十一智術の士は明察にして、聴用せらるれば、且に重人の陰情を燭さんとす。能法の士は勁直にして、聽用せらるれば、且に重人の姦行を矯めんとす。
-
『韓非子』孤憤第十一是れ智法の士と當塗の人とは、兩つながら存す可からざるの仇なり。
-
『韓非子』六反第四十六政を為すは、猶ほ沐するがごとし。髪を棄つる有りと雖も、必ず之を為す。髪を棄つるの費を愛しみて、髪を長ずるの利を忘るるは、權を知らざる者なり。
-
『韓非子』問田第四十二亂主闇上の患禍を憚らずして、必ず以て民萌の資利を齊えんと思うは、仁智の行なり。...亂主闇上の患禍を憚りて、死亡の害を避け、...は、貪鄙の為なり。
-
牧民忠告・宣化淫祠(いんし)を毀(こぼ)つは、理を燭(てら)すこと明らかにして道を信ずること篤き者に非ざれば能わず、己を行うこと端にして心を處(お)くこと正しき者に非ざれば敢えてせず。