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宋名臣言行録 / 後集巻五・彭思永

嘗曰牢籠之事吾所不為每謂人曰吾不為他學但幼即學平心以待物耳又嘗教其子弟曰吾數嵗時冬處被中則知思天下之寒者矣

新字:嘗曰牢籠之事吾所不為毎謂人曰吾不為他学但幼即学平心以待物耳又嘗教其子弟曰吾数歳時冬処被中則知思天下之寒者矣

書き下し

嘗て曰く、牢籠の事は吾が爲さざる所なりと。毎に人に謂いて曰く、吾は他の學を爲さず。但だ幼くして即ち平心を以て物を待するを學ぶのみと。又た嘗て其の子弟に教えて曰く、吾數歳の時、冬、被中に處れば則ち天下の寒き者を思うを知れりと。

現代語訳

かつて言った。「人を囲い込むようなことは、私のしないところである」。いつも人に語って言った。「私はほかの学問をしない。ただ幼いころから、平らかな心で物事に接することを学んだだけである」。またかつて子弟に教えて言った。「私は数歳のころ、冬に布団の中にいると、天下の寒い人のことを思うことを知っていた」。

解説

五十三字に、この人の来し方が全部入っています。まず、しないことを一つ。**人を囲い込むようなことは、私のしないところである。**次に、したことを一つ。**ただ幼いころから、平らかな心で物事に接することを学んだだけである。**学問ではなく態度を学んだ、と言っている。そして最後の一行が、その中身を示します。**数歳のころ、冬に布団の中にいると、天下の寒い人のことを思うことを知っていた。**暖かいときに、暖かくない人を思い出す。それが平心の始まりでした。

この章句が説くこと

牢籠の事は吾が為さざる所なり吾は他の学を為さず但だ幼くして即ち平心を以て物を待するを学ぶのみ吾数歳の時冬被中に処れば則ち天下の寒き者を思うを知れり平心共感

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