宋名臣言行録 / 後集巻三・張方平
元昊叛陜西四路置帥夏竦為總帥居長安不臨邉公為諌官言竦端坐長安未嘗臨敵諸路失律一皆不問有總師之名無總師之實乞據四路敗事加以責罸而罷總帥傳四路帥臣自任戰守之計從之
新字:元昊叛陜西四路置帥夏竦為総帥居長安不臨邉公為諌官言竦端坐長安未嘗臨敵諸路失律一皆不問有総師之名無総師之実乞拠四路敗事加以責罰而罷総帥伝四路帥臣自任戦守之計従之
書き下し
元昊叛き、陝西四路に帥を置く。夏竦總帥と爲り、長安に居りて邊に臨まず。公諫官と爲りて言う、竦は長安に端坐して未だ嘗て敵に臨まず。諸路の失律は一に皆問わず。總師の名有りて總師の實無し。乞う、四路の敗事に據りて責罰を加え、而して總帥を罷め、四路の帥臣に傳えて自ら戰守の計に任ぜしめよと。之に從う。
現代語訳
元昊が叛き、陝西の四つの路に帥を置いた。夏竦が総帥となり、長安に居て国境に臨まなかった。張方平は諫官となって言った。「夏竦は長安に端座して、いまだかつて敵と対したことがありません。諸路の軍紀の乱れは、いっさい問おうともしません。総司令の名があって、総司令の実がないのです。どうか四路の敗戦の事実に基づいて処罰を加え、そのうえで総帥の職を廃止し、四路の帥臣に伝えて、自ら攻守の計を担わせてください」。これに従った。
解説
指揮の空洞を、二つの事実で示しています。長安に端座して、いまだかつて敵と対したことがありません。諸路の軍紀の乱れは、いっさい問おうともしません。前に出ない、責任も取らない。それを一句にまとめました。総司令の名があって、総司令の実がないのです。そして処置が二段でした。まず責任を問い、そのうえで職そのものを廃止する。人を替えるのではなく、実のない層を取り除いて、下に権限を戻しています。四路の帥臣に、自ら攻守の計を担わせてください。
この章句が説くこと
夏竦総帥と為り長安に居りて辺に臨まず諸路の失律は一に皆問わず総師の名有りて総師の実無し総帥を罷め四路の帥臣に伝えて自ら戦守の計に任ぜしめよ名実指揮
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『韓非子』八經第四十八事に任ずる者知治職に足らざれば、則ち官收めらる。說大にして誇れば則ち端を窮め、故に姦得られて怒る。故無くして當らざるを誣と爲し、誣なれば臣を罪す。言必ず報有り、說必ず用を責む、故に朋黨の言上聞せず。凡そ聽くの道は、人臣忠論して以て姦を聞かせ、博論して以て一を内る、人主智ならざれば則ち姦資を得。明主の道は、己喜べば則ち其の納るる所を求め、己怒れば則ち其の搆ふる所を察し、已に變ずるの後に論じて、以て毁譽公私の徵を得。衆諫して以て智故を效し、君をして自ら一を取りて以て罪を避けしむ、故に衆の諫むるや敗る。君の取るや、副言を上に無くして以て將に然らんとするを設け、言を後に符せしめて以て謾誠の語を知る。明主の道は、臣兩諫するを得ず、必ず其の一語に任ず。擅に行ふを得ず、必ず其の參に合す、故に姦進むに道無し。七。官の重きや、法毋ければなり。法の息むや、上闇ければなり。上闇くして度無ければ、則ち官擅に爲す。官擅に爲す、故に奉重くして前無し。奉重くして前無ければ、則ち徵多く、徵多し故に富む。官の富重なるは、亂功の生ずる所なり。明主の道は任に取り、官に賢とし、功に賞す。言程にして、主喜べば、俱に必ず利あり。當らずして、主怒れば、俱に必ず害あり、則ち人父兄に私せずして其の仇讎を進む。勢以て法を行ふに足り、奉以て事に給するに足りて、私生ずる所無し、故に民勞苦して官を輕んず。事に任ずる者重き毋く、其の寵をして必ず爵に在らしめ、官に處る者私毋く、其の利をして必ず禄に在らしむ、故に民爵を尊びて禄を重んず。爵禄は賞する所以なり、民賞する所以を重んずれば、則ち國治まる。刑の煩はしきは、名の繆れるなり。賞譽當らざれば則ち民疑ふ、民の名を重んずると其の賞を重んずるとは均しければなり。賞せらるる者に誹有れば、以て勸むるに足らず。罰せらるる者に譽有れば、以て禁ずるに足らず。明主の道は、賞は必ず公利に出で、名は必ず上の爲にするに在り。賞譽軌を同じくし、非誅俱に行はる。然らば則ち民賞の内に榮とする無し。重罰有る者は必ず惡名有り、故に民畏る。罰は禁ずる所以なり、民禁ずる所以を畏るれば、則ち國治まる。八。
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