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宋名臣言行録 / 後集巻一・韓琦

㑹仁宗棄天下平旦入預大議英宗即帝位宫門徐開追百官班宣遺制衛士坐甲諸司幕廡下治䘮人情肅然日至午市肆猶有未知者公性厚重未嘗名其功其門人親客或燕坐從容語及太子定䇿事必正色曰此仁宗聖德神斷為天下計太后母道内助之力朝廷定議久矣臣子果何預焉

新字:会仁宗棄天下平旦入預大議英宗即帝位宫門徐開追百官班宣遺制衛士坐甲諸司幕廡下治喪人情粛然日至午市肆猶有未知者公性厚重未嘗名其功其門人親客或燕坐従容語及太子定策事必正色曰此仁宗聖徳神断為天下計太后母道内助之力朝廷定議久矣臣子果何預焉

書き下し

會ミ仁宗天下を棄つ。平旦に入りて大議に預る。英宗帝位に即く。宮門徐ろに開き、百官を追いて班し、遺制を宣す。衛士甲に坐し、諸司幕廡の下にて喪を治む。人情肅然たり。日午に至るまで、市肆猶お未だ知らざる者有り。公性厚重にして、未だ嘗て其の功を名とせず。其の門人親客、或いは燕坐從容として語太子定策の事に及べば、必ず色を正して曰く、此れ仁宗の聖德神斷、天下の爲に計るなり。太后母道、内助の力なり。朝廷の定議久し。臣子果たして何ぞ預らんやと。

現代語訳

ちょうどそのとき仁宗が崩じた。夜明けに参内して大事の議に加わった。英宗が帝位に即いた。宮門はゆっくりと開かれ、百官を呼び集めて列に並ばせ、遺詔を読み上げた。近衛の兵は甲を着けたまま座し、諸役所は幕舎の下で喪を執り行った。人心は静まり返っていた。昼になっても、市の店ではまだ知らない者がいた。韓琦は人柄が重厚で、その功を自分の名にしたことがない。門人や親しい客が、くつろいだ席でゆっくりと話すうち太子擁立の一件に及ぶと、必ず顔つきを改めて言った。「これは仁宗の聖なる徳と神のごとき決断が、天下のために計られたことだ。太后の母としての道、内助の力である。朝廷で議が定まって久しい。臣下がいったい何に与ったというのか」。

解説

帝位の継承という最も揺れる場面が、どれだけ静かに済んだかを一行で示します。**昼になっても、市の店ではまだ知らない者がいた。**準備が済んでいた仕事は、外から見えません。そのあとに人柄の話が続きます。手柄話が出るたび、韓琦は顔つきを改めて否定しました。**これは仁宗の決断であり、太后の内助の力であり、朝廷で議が定まって久しい。臣下が何に与ったというのか。**功を譲るのではなく、そもそも自分の功として語らせない。定策の功は、後で必ず政争の種になります。

この章句が説くこと

宮門徐ろに開き百官を追いて班し遺制を宣す人情粛然たり日午に至るまで市肆猶お未だ知らざる者有り公性厚重にして未だ嘗て其の功を名とせず臣子果たして何ぞ預らんや継承平静

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