宋名臣言行録 / 前集巻五・蔡齊
錢惟演作樞宻直學士題名記附離丁謂輙去冦凖姓氏云逆凖不書公言于仁宗曰冦凖社稷之臣忠義聞天下豈可為姦黨所誣哉遂令磨去
新字:銭惟演作枢宻直学士題名記附離丁謂輙去寇凖姓氏云逆凖不書公言于仁宗曰寇凖社稷之臣忠義聞天下豈可為姦党所誣哉遂令磨去
書き下し
錢惟演、樞宻直學士の題名記を作る。丁謂に附離し、輙ち冦凖の姓氏を去りて云う、逆凖は書せずと。公、仁宗に言いて曰く、冦凖は社稷の臣なり。忠義、天下に聞こゆ。豈に姦黨の誣うる所と為る可けんやと。遂に磨き去らしむ。
現代語訳
銭惟演が枢密直学士の名簿の記を作った。丁謂に迎合して、寇準の姓名を削り、こう書いた。「逆賊の寇準は記さない」。公は仁宗に申し上げた。「寇準は社稷の臣です。忠義は天下に知れ渡っております。どうして姦邪の徒に誣いられてよいものでしょうか」。そこでその文字を磨り消させた。
解説
石に彫られた名簿から、名前が消されていた条です。ただ消したのではなく、**「逆賊の寇準は記さない」と、消したことまで彫ってあった。**公はそれを仁宗に申し上げて、磨り消させています。書き換えられた記録を元に戻す、という仕事です。前に楊億が詔勅と経緯を託しておいたおかげで冤が晴れたのと、対になっています。**記録は放っておけば書き換えられる。**
この章句が説くこと
輙ち寇凖の姓氏を去りて云う逆凖は書せず寇凖は社稷の臣なり忠義天下に聞こゆ豈に姦党の誣うる所と為る可けんや遂に磨き去らしむ記録名誉改竄
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