宋名臣言行録 / 前集巻三・張詠
公問李畋曰百姓果信我否對曰侍郎威惠及民民皆信服公曰前一任則未也此一任應稍稍耳秀才只此一箇信五年方得成
新字:公問李畋曰百姓果信我否対曰侍郎威恵及民民皆信服公曰前一任則未也此一任応稍稍耳秀才只此一箇信五年方得成
書き下し
公、李畋に問いて曰く、百姓果たして我を信ずるや否やと。對えて曰く、侍郎の威惠、民に及ぶ。民皆な信服すと。公曰く、前の一任は則ち未だしなり。此の一任は應に稍々ならん。秀才、只だ此の一箇の信、五年にして方に成るを得たりと。
現代語訳
公が李畋に尋ねた。「民ははたして私を信じているだろうか」。李畋は答えた。「侍郎の威と恵みは民に及んでおります。民はみな信じ服しております」。公は言った。「一度目の任のときはまだだった。この二度目でようやく少しというところだろう。秀才どの、この『信』という一字だけで、五年かかってやっと出来上がったのだ」。
解説
前の条の「民が自分を信じている」を、本人がどう測っていたかの条です。一度目の任のときはまだだった、二度目でようやく少しというところだ。そして一言。この「信」という一字だけで、五年かかってやっと出来上がった、と。威と恵みが及んでいる、という褒め言葉を、そのまま受け取っていません。信用の目盛りを年で数えているところが、この人らしい。
この章句が説くこと
百姓果たして我を信ずるや否や前の一任は則ち未だしなり此の一任は応に稍々ならん只だ此の一箇の信五年にして方に成るを得たり信用年月自己評価
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